Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

政権争いと黒幕

 「クレムリン」というゲームがある。1988年、シミュレーションゲーム花盛りの頃、大手のアバロンヒルが出版したものである。ちょうどソ連が崩壊するころで、ソ連の政治体制を揶揄したようなテーマであるが、ゲームとしては心理的な駆け引きが面白いものだったと記憶している。まあ、ゲーム後の人間関係については責任は持てないが。それが、復刻していたというニュースがあった。

 
 
 ソ連共産党の書記長職を争うゲームであるが、プレーヤーは共産党幹部ではなくこれをあやつる闇の勢力を演じることになる。複数のプレーヤー(黒幕勢力)は、あらかじめ多くの書記長候補に支援ポイントを秘密裏に割り振っておく。そして自らの支援する候補者が成果を上げて出世していくのを企画するわけだ。そして書記長の座を射止めさせ、赤の広場の年次イベントで手を振らせると1点を挙げられる。
 
 同じ人物でなくてもいいが、3点挙げる(3回手を振る)ことができれば、そのプレーヤーの勝利となる。どの候補にどのくらいのポイントを与えるかがキーだが、そのポイントを顕わす(支配を示す)タイミングが難しい。同じ候補に複数のプレーヤーがポイントを割り振っていることもあり、その場合はより大きなポイントを振ったプレーヤーが当該候補を支配できるからだ。
 
 ゲーム上いろいろなイベントがあり、候補者に無理をさせると健康を損なうこともある。まあほっておいても高齢化して病院送りになることもある。支援している候補を育成しながら、それを悟らせないようにするところにプレーヤーの人間性がにじむ。その結果人間関係が・・・ということはある。

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 笑い話のようなゲームではあるが、笑えないのはソ連自身がそういう手段を他の国に対して行っていたこと。有名なのは、シベリアに抑留した旧日本兵の中から何人かを選んでスパイに仕立てたという疑惑。社会党の某代議士や、ある商事会社の社長がそうだったとのうわさがある。
 
 これは過去の事だが、もっと笑えないのが「ロシア・ゲート疑惑」を始めとするトランプ大統領とロシアの関係。トランプ大統領は過去何回も破産しているが、それを救った(支援ポイントを与えた)のがロシアだとすると、米国大統領がロシア(プーチン)に操られていることになる。プーチン大統領は最強のポーカーフェイスプレーヤーだから、そう簡単に尻尾を出すはずはない。この疑惑、正直心配ですね。
 
<初出:2017.6>