米軍最大の潜水艦「ミシガン」(オハイオ級:排水量19,000トン)が釜山港に入った。米国航空母艦「カール・ビンソン」の艦隊も対馬海峡を通って日本海(韓国呼称:東海)に入った。トランプ最高司令官のブラフ戦術だと、メディアは伝えている。
先だって「カール・ビンソン」の艦隊に合流、共同訓練をしていた海上自衛隊のイージス護衛艦「あしがら」と護衛艦「さみだれ」の2隻も、この艦隊に加わっている。あしかけ2年前、日本の国会で大騒ぎになっていた集団的自衛権、この具体例に挙げられた「同盟国艦艇の防御」がここに成ったわけである。
米国艦隊に向けて対艦ミサイルが発射された場合、一緒にいた海上自衛隊の艦船がこれを破壊して米国艦艇を守ることができるよう、集団的自衛権を認めるべきだとの議論であった。当時口角泡を飛ばして「憲法違反だ!」と叫んでおられた各党のみなさん、今回はおとなしいように思う。憲法違反より、森友問題の方が重要なのだろうか?
◆護衛艦「あしがら」(DDG-178)
・基準排水量 7,700トン
・速力 30ノット以上
・兵装 5インチ単装砲、対艦誘導弾8基、CIWS2基、
短魚雷発射管6基 他
・搭載機 ヘリコプター1機
・乗員 300名
・就役 2008年3月
◇重巡洋艦「足柄」
・基準排水量 13,000トン
・速力 33ノット
・兵装 20cm砲10門、120mm高角砲8門、61cm魚雷
発射管16門、25mm機銃8門 他
・搭載機 水上偵察機3機
・乗員 700名
・就役 1929年8月
・戦没 1945年6月
こちらの「足柄」も、1937年ジョージ6世の戴冠式に派遣され、英国軍人に「これこそ軍艦だ。我々の巡洋艦はホテルシップだ」とその重装備を讃えられた。さらに「飢えたオオカミのようだ」ともコメントされた。もっともこれらは、居住性を無視した設計の日本艦艇に対するイギリス人特有の皮肉とする説もある。
先代と比べるとおおむね半分程度のサイズであるが、戦闘能力はケタ違いである。もっとも、その能力を使わないのが本当の軍艦の意義であることは、先代を含む歴史が教えている。
<初出:2017.4>