Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

リンク・トラム

 ウィーン旧市街は、半径600~700m程度の城壁に囲まれていたと以前書いた。その跡地がリンクと呼ばれる大通りになっていて、一般車のほかバスや市電、自転車(時にはセグウェイも)が混在して走っている。市電の線路がぐるりと旧市街を囲んでいるので、最初は環状線の運行があるのだろうと思っていた。
 
 しかし、市電の複雑な路線図を見ていると、郊外からやってきた電車がリンクで終点になる(例:Shottentor)、郊外から来てリンクを半周して郊外へ抜けていく(例:1号線やD号線)のが混在しているのがわかる。乗ってみると、なかなか便利なものだ。リンク周辺ではひっきりなしにやってくるし、電停には次の電車が何分で来るかが表示されている。

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 電車そのものは新旧混在だ。上の写真は、新型車両で低床型、非常に乗降しやすい。しかし、時々旧式車両が来ると少し手間取る。2~3ステップ登らないと乗れないのだが、メカ的にステップが降りてきて、発射前にステップが収納される仕組みだ。古いのになると半分収納した状態で走り出したり、ボタンを押してもドアが開かなかったりする。
 
 一般路線では、リンクを1周するものはないが、特別なツアー電車があってこれだけはリンクを1周する。リンク・トラムと言って、いつも使っている "WochenKarte"(1週間定期券)や "TargsKarte" (1日乗車券)では乗せてもらえない。
 

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 下の写真は、宿にほど近い Schwedenplatz で撮影したもの。中央の黄色の電車が、リンク・トラムというツアー車両。ここはドナウ運河沿いの交通の要衝で、空港からのリムジンバスも発着している。公共交通が発展しているのがヨーロッパの都市にいいところで、ゆったりした気分にひたれる。ウィーンは、また行きたい街のひとつですね。
 
<初出:2016.7>