Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

目覚まし代わりの鐘の音

 函館の定宿「ガーデンハウスCHACHA」は函館山の麓にあり、窓からは函館の街が一望できる。ベイエリアからは200m以上の坂道を登ってこないといけない。最後の50mは「チャチャ登り」と呼ばれる一番きつい勾配。「チャチャ」とはアイヌ語で「おじいさん」の意味で、登り坂がきついのでそこを上がってくる人たちの腰が曲がって老人に見えるということだ。

 

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 チャチャ登りを上がる時、左側には聖ヨハネ教会、右側には聖ハリストス教会がある。「ガーデンハウスCHACHA」は聖ハリストス教会の上に位置している。その隣からいくつかの別荘と思しき建物が並んでいる。1軒おいて隣は空き地になっていて、道路からの見晴らしがいい。
 
 そこには、よく観光客がやってきて写真を撮っている。時にはタクシーが停まって、観光客を降ろし眺望を案内していることもある。晴れた日の眺望は、こんな感じ。「聖ハリストス教会」は、ロシア正教の教会。北海道にはロシアの香りが感じられる。以前稚内に出かけた時、道路の行先表示がキリル文字でも書いてあって驚いた。函館ではさすがにそこまでの事はないが、ロシア料理の店やお土産品は結構ある。
 
 「CHACHA」の宿泊者には、教会からのプレゼントもある。それがモーニング・コール代わりの鐘の音。毎朝6時半になると、教会の鐘がさわやかに鳴り響く。6時でも、7時でもなく6時半というのが何故かはわからないが、休日旅行先で目覚めるのには適当な時刻といえるだろう。

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 教会の向こうには函館湾が広がっていて、海上自衛隊護衛艦もみることができる。画像の中央に見えるのは「摩周丸」。かつての青函連絡船の記念艦として保存され、朝市近くに係留されて博物館になっている。朝日と教会の鐘の音、夏休みの朝にはちょうどいい目覚めでした。
 
<初出:2017.9>