Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

松山火車駅周辺(後編)

 一方松山駅の南側には、五分埔商圏というエリアが広がっている。およそ150m四方の中に、無数の商店が詰め込まれていて、特に服飾の豊富さや安さは飛びぬけている。ここを見つけたのは、最初に台湾旅行をした10年近く前だった。

 
 当時は地下鉄松山新店線は開通しておらず、少し離れた板南線の駅から歩いて行った。当時は中国の製品もあったように記憶しているが、最近は東南アジアでの製品が多いのだろう。センスの良いものもあり、ここで仕入れる大手の焦点や中心部のお店もあるのだろう。そういうところへ行くと、お値段がハネ上がるわけだ。
 
 少し広い道には、バイクはもちろんトラックまで入ってくる。商店の軒先に接触するくらいなので、トラックの荷下ろし中は人間が通るのも難しい。一方狭い道は日が差さないので薄暗く、ちょっと不気味な路地という印象だ。
 

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 商圏の東には細長い公園があって、その南端に小規模な廟がある。名前は松山進安宮というのだが、日本語のガイドブックには記述がない。インターネットで調べても中国語の記載しかない。ぼんやりわかるのは、5,000年の歴史がある廟だと言う事、12人の皇帝が祀られているらしいと言う事くらいである。いずれにしても台湾の5,000年前ということではなく、中国本土のことだろうから、これも本土から人たち(国民党?)が建てたのだろう。
 
 屋根には慈祐宮にも似た、龍や偉人のオブジェが乗っている。しかし多くの人が真剣にお祈りや線香を捧げている慈祐宮に比べて、こちらでは粗末なテーブルで何人かが食事をしている。軽食を出す料理店が併設されているので、屋台のような雰囲気だ。台北駅から日本で言うJRでひと駅東のところ松山火車駅周辺は、再開発されたところ手の付いていないところが混在した不思議なエリアでした。
 
<初出:2018.4>