Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

敵基地攻撃、でもその前に(後編)

 強襲揚陸艦やヘリコプター搭載護衛艦として建造・配備された船を、海上自衛隊は「ひゅうが」型と「いずも」型それぞれ2隻持っている。これにSTOL型の戦闘機/戦闘爆撃機を積めば、理屈の上では軽空母のようなものになる。最新鋭ステルス戦闘機F-35はSTOL性能もあるから、ヘリコプターの替わりにこれを搭載すれば、相応の戦力になるかもしれない。

 

 これにイージス護衛艦などを随行させれば、4個機動部隊の格好くらいはつくだろう。問題は、航空母艦としての運用ができるようになるにはいくつのハードルがあるか分からない事。特にソフトウェア的なものは長い時間をかけないと完成しない。

 電子戦専用機というのは、確かに新しい兵器だ。ベトナム戦争で共産軍の対空火器を黙らせる役割を担ったのがF-4ファントム改造型の「ワイルド・ウィーズル」(野生のいたち)。この機体が敵のレーダーを妨害もしくは破壊して対空能力を弱めた上で、爆撃機らが突入する戦術だった。敵基地は当然対空火器に守られているだろうから、この種の兵器は必要である。もちろんここでも作戦的・戦術的な検討・計画・訓練は必須である。

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 でもちょっと待ってくださいね。憲法上もしくは近隣国の反発を招きかねないこれらの導入・改装計画より前に、やっておくべきことがあるのではないだろうか?憲法論議もそのひとつだし、サイバー攻撃/反撃能力の獲得も重要のはず。核ミサイルを撃てなくしたり、方向をちょっといじってあげるだけでもこれらの兵器は無力化できるはずだ。そう思っていたら、自衛隊の再編案として「サイバー・宇宙部隊創設」の記事があった。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20180103-OYT1T50132.html

 
 これには大いに意を強くしたのだが、前記芸人さんのような非武装中立の人や、護憲で凝り固まった人たちから「戦争放棄なんだからサイバー攻撃も禁止」なんて言われると困ってしまう。今の日本は、研究目的でマルウェアを作っても逮捕されるような「法治国家」、まずこういうところから論議をして改善していく必要があるでしょう。
 
<初出:2018.1>