Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

意地悪なイギリス国境

 ブリュッセルでの国際会議が夕方5時過ぎに終わり、簡単なレセプションを終えて僕たちは空港へ向かった。翌日の午前中ロンドンでの会合が控えているので、夜のうちに海峡を渡っておく必要があったからだ。ホテルを訪問団体のビルに近いところで予約したのだが、これが空港から割合遠い。

 
 ブリュッセル空港のラウンジでビールを1本、簡単なおつまみと一緒に飲んで搭乗。ブリュッセル航空の小型機は、定刻の夜9時に離陸した。ヒースロー空港への到着は、同じく9時。これは大陸とイギリスの間に、時差が1時間あるから。足早にイミグレーションまで行くと、そこには予想通り長蛇の列。
 
 右側の「EU or UK」と書かれた列より、左側の「その他」の列は数倍長い。「British Border」と大書されたカンバンの下に多くの窓口はあるのだが、列はなかなか前に進まない。ひとりひとりへの質問が長くかかっているようだ。この空港では以前イミグレでひどく待たされ、結局明け方のヒースロー・エクスプレスの始発まで何時間か過ごす羽目になった経験がある。「Security is our FIRST priority」と書いてあるのが、ひどく恨めしく思ったものである。
 
 入国審査では、泊まるホテル、何泊するか、自分の所属などはもちろんのこと、訪問先の企業名や詳細な要件まで聞いてくる。これでは時間がかかるわけだと、うんざりした気持ちで応えた。

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 今回はなんとか1時間程度でイミグレを突破できたが、他の空港ではあまり経験しないほど待たされるという印象は強くなった。2人だったし、ヒースロー・エクスプレスが着くパディントンではなくビクトリア駅前にホテルをとったので、今回はタクシーを奮発。80ポンド(約12,000円)かかったが、明日の会合のことを思って早くチェックインしたかったから仕方がない。
 
 さんざん時間をかけさせられる「国境」だが、出国するときはパスポートコントロールはない。出る方はご勝手に、というわけ。合理的かもしれませんが、もう少し旅行者のことを気にかけてくれてもバチはあたりませんよ。
 
<初出:2018.1>