ジュネーブからは、ヨーロッパアルプス最高峰のモンブランが望める。フライトがジュネーブ空港に降下を始めるころから、天気が良ければこの山を見ることができる。ジュネーブはコンパクトな街で、空港と中心市街地の距離も遠くない。スイス国鉄の列車で、わずか１区間。
ただ、スイス航空にはがっかりさせられることがある。一度経営が傾いて、ルフトハンザの傘下で再生したのだが、コスト削減が徹底し（過ぎ）ているように思う。20年前に利用していたころは、日系航空会社より食事などはずっといいと思っていた。そのころの記憶があるせいか、その落差に残念な思いをする。だから、成田空港でも少し前に出るスイス航空を見送り、日系航空会社の乗り継ぎ便を選ぶ。
さてジュネーブだが、何度か物価が高いと文句を言った。しかし、便利できれいな街であることは確かだ。レマン湖沿いの遊歩道を歩いていると、ゆったりとした気分になる。湖の真ん中に巨大な噴水がある。これがモンブランと並ぶ、レマン湖の象徴、ジュネーブの象徴である。不用意に近づくと、風向きによっては水浴びをするハメになるが夏場ならばそれも心地よい。
遊歩道を歩いてゆくと遊覧船やプチトランの乗り場があり、その先には森が見えてくる。この森は広い公園で、湖を眺められるレストランもある。さらにその先にはＷＴＯ（World Trade Organization）本部など、国連機関もある。緑豊かな国際都市ジュネーブを凝縮したようなところと言える。
＜初出：2016.9＞
