Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

世界経済フォーラム本部(前編)

 World Economic Forum(WEF)と聞いてピンとこない向きも、「ダボス会議」と言えば聞いたことはおありになるだろう。北半球が一番寒い1月後半、スイスの寒村ダボスに世界の有力者たちが集まるのがダボス会議。今年は習近平氏がやってきて、中国の勢いを見せつけたやに聞く。この会議の主催者がWEF、1971年にスイスの経済学者クラウス・シュワブが設立した、非営利団体である。

 
 世界経済の発展のため何をすべきか、どういう懸念があるかなどを積極的に、時には露骨に主張し議論する場である。チャタムハウス・ルールといって、会合の結論めいたことは記録・公表されるが、誰がどういう発言をしたかは公開されることはない。それゆえ、思い切った意見を言うことができ本音の議論ができるわけだ。
 
 主役は経済界だが、政治にかかわる人も多く参加する。最大イベントであるダボス会議には、2,500名ほどの選ばれた人しか参加できないし、経済発展を追求する姿勢から、格差社会の元凶と名指しする人たちもいる。
 
 NINJAには場違いな所と思っていたが、ひょんなことから訪問する機会があった。WEF本部はジュネーブレマン湖の東岸の丘の中腹にある。ジュネーブには、去年行ったWTO本部など国際機関が一杯ある。しかし人口20万人足らずの街だ。
 
 中央駅近くに迎えのシャトルバスが来てくれて、レマン湖の南を廻って20分ばかり丘を登って行った。シャトルバスは門の手前で停まり、警備員が乗り込んできて乗客のパスポートチェックをする。200カ国以上の人が出入りするだろうから名前のチェックだけでもバリエーションが多くて大変だろうななどと思っているうちに門が開いてバスは玄関に到着した。
 

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 門も強固なものなのだが、さらに内側には一抱えもあるような太いコンクリート製のポールが何本も地面から生えていて、車の突入を防止している。とてもNPOとは思えない、軍事拠点のような防御施設だ。緊張しながらロビーに入ってレジストするのだが、大きく開けた窓からレマン湖の対岸が見える。陽がよくあたって、湖面から山までの絶景である。
 
<続く>