Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

シェアリング・エコノミー(3)

 初回にホノルルのコンドミニアムの話を書いたが、宿泊にも新しい"Matching" である"Airbnb" が普及し始めている。僕自身も10年前の海外旅行は大手旅行社のお世話になっていた。最初は店舗で、次はインターネットで、旅行商品を購入していた。ここ5年くらいは、フライトは「日本の青い航空大手」のサイトで予約し、ホテル/コンドミニアムは"Booking.com" というのが定番。

 ずいぶん便利になり選択肢が広がったと感じていたが、"Airbnb" のようなものが出てきて少々驚いた。普通のマンションの1室が指定されていることもある。ある湾岸の高層マンションで、時折騒がしい部屋があるというので"Airbnb" で検索してみたら登録されていた、という話がある。あわててマンションの定款に、このような賃貸を禁ずる規定を入れる管理組合もあるようだ。

 "Uber" は違法で"Bridj" は合法にできるのではと思っているが、"Airbnb" はどうだろう。現時点ではやはり違法の公算が高い。無届けなら、旅館業法に触れるのではないか。もちろん、個人が友人に宿舎を提供するような「業」ではないとみなされれば業法違反ではないが、相手が不特定ならそうも言えまい。

 一方で来日外国人旅行者は増加しており、2020年の東京オリンピックパラリンピックに向けてホテル不足も指摘されている。政府の「日本再興戦略2016」にも、観光立国の実現が挙げられている。2015年に3.5兆円だった市場を、2020年に8兆円、2030年に15兆円にするとある。

 かといって、ホテルをどんどん開業させるわけには行かない。上記の数字は年間の値で、繁忙期もあれば閑散期もある。閑散期にも耐えられる程度の設備投資に抑えないと、ホテル経営が成り立たない。そのギャップを埋めるのが、民泊であれば都合がいい。

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 もうひとつ、訪日外国人の中には日本人が首をかしげる嗜好を示す人たちがいる。古い民家が好みだったり、山間部の寒村が好きだったり、バラエティに富んだニーズがあるのだ。このようなニーズには、規格化されたホテルチェーンでは対応が難しい。民泊も含め、いろいろな選択肢を訪日客に示すことが求められている。

<続く>