Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

防衛省発足10年(前編)

 平成29年度版防衛白書が出て、その説明会があるというので怖いもの見たさで経団連会館に出かけた。経団連の50ほどもある委員会の中に「防衛産業委員会」というのがある。昔は「防衛生産委員会」と言っていたらしく、文字通り10式戦車などを納入している企業たちが集まった会である。脅威と自衛隊の戦力、コマンド・コントロール・コミュニケーション&インテリジェンスはどうなっているかと聞き耳を立てる僕のようなオタクではなく、みなさん防衛予算の行方が気になるみたいだ。


http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/

 570ページになんなんとする防衛白書ではなく、70ページくらいのパンフレットが配られて、その凝縮版のスライドでご説明があった。パンフの冒頭に「省移行後の10年間の歩み」とあって、防衛庁防衛省に格上げされたのはもう10年も前かと改めて思った。当時の写真には、安倍総理(第一次内閣だったのやね)と久間大臣が写っていた。

 続く「防衛この1年」では、北朝鮮の核・ミサイルの脅威、中国海空軍の活動活発化、トランプ・安倍会談、南スータンでのミッションなどが紹介されている。このあたりまでは普通だが、次に「輝き活躍する女性隊員」という特集がある。政府の女性の活躍キャンペーンの乗っかると共に、安定的な人材確保に向けたリクルート誌としての意図が透けてみある。まあ女性隊員比率6%というのは先進国の中では低いほうなので、増えていくことを期待したい。

 

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 パンフレットの特集の最後は「平和を仕事にする」で、自衛官キャリアパスやミッション、防衛大学校や幹部要請コースの紹介があって、ここはもろにリクルート目的。そのあと、わが国を取り巻く安全保障環境の概説、安全保障・防衛政策や日米同盟、災害派遣を含めた各種の取り組みが紹介されている。

 僕としては、今回の防衛白書に「サイバー空間」が初めて取り上げられたという話を聞いたので、この会に参加した。(決してオタクだからではない)肝心のサイバー攻撃についてはあたりさわりのないことしか書いてなくて不満ではあるが、サイバー空間について書いてくれただけで今年度は満足しなくてはいけないだろうと思った。

<続く>