Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

敵基地攻撃、でもその前に(前編)

 昨年末は、自衛隊の装備に関する報道がいくつか集中した。安倍政権が掲げる憲法改正の議論と、ある程度の連携はあるものと思われる。この機に防衛予算増、の思惑もあるのかもしれない。

 ・長距離攻撃用巡航ミサイルの導入を検討
 ・「いずも」など全通甲板を持つヘリ護衛艦の空母改装計画
 ・電子戦専用機の導入を検討

 いずれも敵基地攻撃能力を保持もしくは高めようという狙いだと、メディアは伝えている。念頭にあるのは核ミサイルを撃ってくるかもしれない北朝鮮の脅威だが、当然他の国への攻撃にも使えるわけで地域の不安定化につながるとの批判はある。

 
 年初の「朝までナマTV」で「尖閣くれと言われたらあげます。沖縄くれと言われたらあげます」などと非武装中立論を展開した若手芸人がいた。他のパネラから「小学校行け」とヤジられていたが、沖縄を渡してそこでチベットのような人権侵害・迫害が起きたらどう責任をとるつもりだろうか?こういう極端な意見は別にして防衛力のあり方論議をすること自身は正しい。この3つの検討項目も、より現実に即した形で広く議論されることを望みたい。
 

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 検討されている巡航ミサイルの射程は300km以上、精密誘導可能でピンポイント爆撃ができる。核兵器搭載も可能だが、通常弾頭でもミサイル発射台などの除去/無力化は十分可能だ。しかし誘導にはGPS等の精密な地図情報が不可欠だし、ただミサイルだけ買ってくればいいというものではない。これまで(仮想)敵地の地図情報なども、専守防衛の立場から十分なものは得られていないだろうから、ミサイルが実力発揮するための環境整備が必要である。
 
<続く>