Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

半島のカタストロフィ(1)

 ただでさえ不安定な朝鮮半島情勢だが、金正男暗殺事件以来その緊張感は1レベル上がったように思う。仮に北朝鮮側の犯行だとして、TOPが命じたか否かにかかわらずその行動様式は理解できる。同国は「国体の護持」を第一目標にしているから、現体制への脅威となる要素の排除は重要ミッションである。

 史記三国志をひもとけば、覇王の親族というのは覇王にとっての脅威である。地方の国を分け与えていた兄弟を呼び戻して殺してしまう、などという話は中国4000年の歴史では日常茶飯事である。とはいえ、ここまでアナクロな「国体」が21世紀に存在することの方が驚異だも思う。


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 やれ水爆実験に成功したとか、弾道ミサイルの試射をしたとか、ただでさえ国際社会の「ならずもの」ぶりを見せ付けてきた彼の国であるが、友好国のマレーシアとのバトルを始めてしまった。事ここに及んで、さしもの中国の論調にも変化が見られると言う。

http://diamond.jp/articles/-/119004

 中国にとって都合が悪いのは、米軍が駐留している韓国と直接国境を接すること。そのための緩衝地域として北朝鮮の存在意義がある。したがって「経済制裁」といっても、本当に国体が無くなるようでは困るからある程度の交易は行ってきた。ただ石炭の禁輸措置は、今回は本当かもしれない。同国国内でエネルギー費用の高騰が始まっているようで、それなら実効ある措置だ。

 上記の記事のように、どうせ救えないならば韓国がナマでやってくるよりは「半島の秩序ある統一」が望ましい。38度線以北には米軍の駐留を認めない統一政府が出来れば、最悪の事態は免れる。現在中韓関係は冷え込んでいるが、そもそもの原因は北朝鮮のミサイル・核開発にあって、その防衛措置として最新レーダーシステムTHAADを配備されると中国領土まで丸見えになるのがいやだと、中国が韓国をいじめているからにすぎない。

<続く>