Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

国会議員に求めること

 民進党の新しい代表に民主党時代も代表経験のある前原議員が決まったが、幹事長にと考えていた山尾議員の不倫騒動で出だしからつまづいた印象がある。幹事長と言えば選挙の背骨、選挙戦略から候補者の選定、区割りまで取り仕切る重要なポストだ。支持団体との緊密な連携も欠かせない。

 
 山尾議員は、マスコミ受けするという意味で「華」のある政治家ではある。だから「選挙の顔」には向いているのだろうが、上記のような深い人間関係が求められる仕事に適任かどうかはわからない。かつて田中角栄という政治家は「自民党総裁になれるかどうかは運だ。しかし人の嫌がることを黙々とやっていれば、幹事長にはなれる」と言った。選挙を戦う中心人物としての幹事長の資質を表した名言だと思う。
 
 それはともかく、幹事長や代表代行就任を阻んだのが「不倫疑惑」というのも、情けない話だ。週刊誌に追い立てられるように離党させられ、議員辞職まで迫られている。彼女の離党をきっかけに、また離党者が出そうというのは、さらに情けない話。離党者に「刺客」を送るという話に至っては、もはや冗談にしか聞こえない。
 
 

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 さてその「不倫疑惑」だが、確かに見苦しい話ではあるが疑惑が真実だとしても法に触れることではない。政治家が追い込まれるのは、おおむねカネがらみ。政治資金の着服や、私的流用などはたとえ少額でも許されるべきではない。また某大臣が追及されているように、選挙民に何かを配ったというのも事実であれば問題。しかし、不倫騒動は政治家としての資質を疑わせるものなのだろうか?
 
 国会議員にわれわれ有権者が求めているのは、本来法整備の力である。社会課題を認識し、それを解決するために現行法を修正したり、新規に作ったり、場合によっては破棄したりすることである。人の道にもとる人物でも、法に触れない範囲の挙動に収まるなら、まずこの能力を評価するべきだ。
 
 政治家に限らず、人は100%高潔な人物でいることはできない。だから問題を起こしても、悩みながらも社会のために働くというなら立派な政治家と思うのですが、山尾先生いかがでしょうか?
 
<初出:2017.9>