また誘っていただく機会があり、久し振りに夫婦で田園調布の駅に降り立った。駅の東側には長島茂雄氏が通ったと言う焼き鳥屋があるなど、小規模だが有名な店が並ぶ。それでもこの駅は西側が正面である。駅前から放射状に道路が伸び、緑も豊かでヨーロッパの街のような風情がある。
今回のお店はカジュアルイタリアン「パスタＲ１」、駅に隣接した、瀟洒な一戸建ての２階部分にある。古い建物のようだが、外壁はリニューアルしてある。急な階段には、手すりはもちろん手すりのない部分には、結び目の付いたロープが渡してある。
店内は４人席３つと２人席１つ、ほかにテラス席もあるようだが、決して広くはない。４人席について誘ってくれた人たちにまず、御礼。
夜のプリフィクスコースは２種類あって、アミューズ、前菜２品、パスタ、デザートのコースとこれに魚／肉のメインが付くコースがある。メインがないコースでも十分の量があると聞いたので、皆メインなしコースを選んだ。
最初のアミューズは生ハム・メロン。なかなか凝ったコースのようで、期待が持てる。昔は肉と果物を一緒に食べると言う発想は無かったので、ステーキにパイナップルを乗せたグリルなどには違和感があった。今ではそんな偏見はなく、メロンの甘味と生ハムの塩っぽさのマリアージュを楽しめている。とりあえずビール･･･ではなくスパークリングワインで乾杯して、一皿目の前菜を待った。
僕が選んだのは、トマトとモッツアレラのサラダ。神のサラダと感じたフィレンツェはもちろん、昨年トリノでもこれを食べた。このお店でも、本格的な味わいである。バジルペーストのソースも美しい。緑、白、赤、イタリア国旗の色合いである。
＜続く＞
