マインツ川はフランクフルト旧市街の南側を守る、天然の「堀」だった。その流れは、フランクフルトの西でライン川にそそぐ。水位が大きく変わらないせいで、市街の一部を除いては「堤防」らしいものは見当たらない。今回宿泊したコンドミニアムからは、マインツ川が良く見渡せた。
ライン川同様、水上輸送の役割も担っているようで、様々な平底輸送船が上り下りでひっきりなしに往来する。これに交じって、ときおり観光船も行く。ミニ・クルーズ船と言うべきか、最上階デッキではビールを呑んでいるひとたちの姿も見える。
南岸は美術館・博物館通りである。コミュニケーション博物館（日本の郵政博物館のようなものか）、シュテーデル美術館などが並んでいる。今回は日も長く、外を歩くのが良かったので立ち寄らなかったが、夜の長い秋などに来た時にはいい訪問先になるだろう。
滞在中のある日、トラムに乗って南岸に回ってみた。遠くから見ていただけでは分からなかったが、立派なプラタナスの並木道が続いている。河岸は遊歩道のようになっていて、ローラースケート・スケートボードなどしている人たちがいる。バーベキューもそこいらじゅうでやっていたが、車いすのひとたちも多く同じように参加していてダイバーシティのある街だとの印象を深めた。
上の画像の中央に掛かっている橋は、歩行者専用の吊り橋。自転車をひいて渡っている人、駆け回る子供たち、ブルカの人も短パンの人も入り交じった往来である。これを渡ってコンドミニアムのある旧市街側の戻ってきた。ゆっくり、のんびり歩いたいい休日になりました。
＜初出：2017.8＞
