Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

ゲームのような列車旅(4/終)

 学生時代の締めくくりは、ひとり旅。ちょうどクラブ仲間の「夏合宿」が佐渡であり、現地集合・現地解散だった。それでは、と計画を練り、合宿前の1週間を列車に乗って過ごすことにした。その時期は、秋田の竿燈、青森のねぶた、仙台の七夕、山形の花笠という東北4大祭りが開催されている。
 
 使うのは「東北ワイド周遊券」。周遊地域の端に、新潟があるから使い勝手がいい。
 
 1日目、上野から夜行急行の自由席に乗る。お盆の帰省にはまだ早いが、相当混んでいた。元気のいい話声が聞こえてくるが、ほとんど理解できない。ナマの東北弁なのだ。もう、この列車に乗った瞬間から「故郷」なのだろう。
 
 2日目、未明に郡山で降りて、磐越西線の始発を待つ。それで喜多方(ラーメンで有名)まで行くと、今はアトカタもないが、喜多方⇔熱塩に日中線という超ローカル線があった。収支係数3,000以上の大赤字路線だ。1日3往復しかないので、磐越西線の始発なら朝の便に接続している。その後、会津若松を歩いて郡山へ戻る。この夜も、郡山から青森行きの夜行に乗る。
 
 3日目、八戸で目覚めたので降車。仙台まで引き返して、七夕飾りを見て歩く。午後仙山線に乗って山形へ。花笠踊りは少し見た程度で駅へ戻り、福島へ行く。福島で、またその夜の夜行を捉まえる。
 
 4日目、やはり八戸で目覚めるが野辺地まで行く。またローカル線で、陸奥まで往復。東北本線で南下し、水沢(今は奥州市)へ。今日だけはビジネスホテルに泊まる。風呂はいるぞー。
 
 5日目、平泉を散策してから、青森へ。夜を待ちねぶたを見る。ものすごい人出で、良く見えない。人込みは苦手なので早々に駅に戻り、また夜行に乗る。
 
 6日目、小牛田で降り、陸羽東線で新庄へ。ここに何か目標があるわけではない、陸羽西線に乗り換えたいだけ。酒田から最後の「お祭り」、竿燈を見に秋田へ向かう。その夜は弘前から、また夜行。
 
 7日目、新発田あたりで目覚め、新潟へ。午前中のフェリーで佐渡に渡り、合宿場所の相川へ。

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 就職してからは、こんな真似はできなくなった。最近は時間に余裕もできてきて、家内と出かけることも増えたが、主な移動手段は飛行機になっている。それでも、学生時代の「列車三昧」は、いい経験になったと思う。
 
<初出:2016.8>