Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

Automated Teller Machine の行方(5/終)

 日本のATM文化は韓国、台湾などを経て、10年ほど前から中国本土へ伝わった。なにしろ13億人の国である、需要は無尽蔵にあった。それが、今急速に熱が冷めつつある。最大の理由は、一気に進んだキャッシュレス社会化である。

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO22995640R01C17A1000000?channel=DF100520160089

 インフラ導入やICT化が遅れていた分だけ、国全体でものすごい勢いでキャッシュレスに向かっている。利便性もさることながら、背景には無視できない量の偽札が出回っていることがある。デジタルマネーのほうが安心できるのだ。

http://toyokeizai.net/articles/-/191667?page=5

 日本の1万円札は、世界でも有数の高額紙幣だ。その上大量に流通していることから、マネーロンダリングの手段に使われるから廃止せよという意見もある。確かにアメリカでは、50ドル札以上のお札はまず見ないし、ヨーロッパでも財布に20ユーロ札があれば十分暮らせる。欧米で過ごす時間が増えてきたせいか、僕の財布には1万円札が入っていないことも多い。(単純にカネがないということかもしれない)

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 多くの人々がスマートフォンを持つようになったし、クレジットカードは何枚も持っている。現金主義の人たちも、徐々に減ってきているように思う。日本の現金文化が薄れているのは確かだから、ATMの需要も減っているはずだ。あとは、運営機関の誰がそれをあきらめるのかの競争になるだろう。勝手に予想すると、すでにメガバンクは整理を済ませているから、地銀・第二地銀クラスが合併などによって店舗を減らしその分ATMも減るだろう。

 
 その減った分をしばらくはイーネットコンビニATMが支えるが、それも徐々に減り始める。最後に残るのはゆうちょ銀行、というのが想定されます。この変化について読めないのは時間軸です。変化に20年掛かるかもしれないし、5年で来てしまうかもしれない。そのあたり興味を持って見ていましょう。
 
<初出:2017.12>