Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

Automated Teller Machine の行方(1)

 日本にはおおむね15万台ほどのAutomated Teller Machine(ATM:現金自動預け払い機)があるという。ゆうちょ銀行が3万台近く、セブン銀行は2万台あまり、共同運営会社のイーネットとローソンが1万台強、銀行は最近では台数を減らしメガバンクでさえ5000台+α程度しか運営していない。近年設置台数を伸ばしてきたコンビニATMだが、それがなくなるのではないかという観測記事が出た。

 

http://diamond.jp/articles/-/149517

 ある意味、日本ほどATMがユビキタス化している国はない。1950年代は、大企業でも給与は現金払い。銀行マンが札束を積んだ自転車で企業の経理部門に行き、一緒に給与の袋詰め作業をしていたという。

 

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 高度成長期になり、一部企業で給与が口座振込みになると銀行マンの負荷は減った。しかし一方で負荷が増えた部署がある。それは銀行の窓口。キャッシュカードを持った奥様が、現金を引き出そうと列を成したのである。電子マネーはもちろんクレジットカードさえ滅多に使わない時代である。日々の生活に現金は欠かせなかった。

 銀行としては口座振替は増やしたい、しかし窓口を何倍にも増やすわけにはいかないので、自動機という発想が出てきた。機器やシステムの開発も難渋したようだが、これを使ってもらうのはもっと大変だ。今でも、JR東京駅新幹線のキップ売り場では、自動機は空いているのに窓口には長蛇の列が出来ていることがある。
 
 機械相手というのは(特に利用頻度の低い人には)好まれないという証明である。そこで銀行はロビー内に案内人を置いて、操作法を丁寧に説明したり、空いている機械に誘導する「人海戦術」をとった。当座はより人手が掛かるのだが、利用者が慣れてくれば省力化につながる。

<続く>