Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

29,800円の福音

 今年秋の国際会議の企画について、この暑いのに会議をした。2日間の大きな時間割り、複数の会場への割り付けを候補となるセッションを並べて議論する。メイン会場1つに、サブ会場は収容人数の異なるものがいくつかある。キーノートスピーチなどはメイン会場でいいのだが、個々のセッションを複数ある会場にどう割り振るかは、そのセッションの集客数を予測しないといけないのでなかなか難しい。

 
 国際会議というからには、何人か外国人のスピーカーも呼ぶ。彼らのスピーチやパネル等のセッションでは通訳を入れる必要がある。2~3年前のサイバーセキュリティのイベントは、通訳抜きの全部英語でやった。日本人の参加者からは「やはり通訳が欲しい」との意見が寄せられて、3年目から通訳を入れたとも聞く。
 
 同時通訳は一人ではできないから、3~4人体制で入れ替わりやってもらうことになる。通訳さんに支払うお金だけでも、一人15万円/日見当で60万円くらいは覚悟しないといけない。だから、今回同時通訳を入れるのはメイン会場だけにしようと言うことになった。

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 それはそれとして、こんな記事が出ていた。インターネット接続が必要で逐語通訳しかできないようだが、携帯用翻訳機が3万円を切る価格で販売されているという。うわ、これは僕のような英語の苦手なものにとっては福音以外の何物でもない。もう少し進化して同時通訳が出来るようになれば、60万円/日の費用は要らなくなるじゃないかと思った。
 
 今回の打ち合わせでも、ディスカウントしてくれる通訳の会社があると某教授が言っていた。この業界も、デジタル革命によって価格破壊からヒトの仕事が無くなる方向に動いているようだ。そこで思い出したのが、霞ヶ関文化とも言うべき会議の「速記」。各テーブルにマイクを貼り付け、ケーブルを引き回すだけでも大変。もうこういうものは、デジタルで置き換えませんか?
 
<初出:2018.8>