Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

Pro-Trump vs. Anti-Trump

 米国の中間選挙が近い。伝統的な共和党民主党の戦いのように見えるが、どうもトランプ先生支持派と反対派の争いのようだ。トランプ先生の言動はどう考えても非常識だし、精一杯譲っても「時代遅れ」なのだが、熱狂的な支持層は持っていて支持率は4割を大きく割り込むことはない。

 
 ロシアが選挙に関与した疑惑、不倫とその口止めを図った疑惑、さらには脱税疑惑など出てきても、それらは全部「Fake News」なのだから仕方がない。特に脱税疑惑というのは米国の法制度では重大なことで、悪事の限りを尽くしたとして有名なアル・カポネを刑務所送りにしたのは脱税の罪だった。

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 今回の滞在先Sofitelホテルは、ホワイトハウスの北側にあるラファイエット広場まで1ブロックである。チェックインした後、まだ陽も高いのでトランプ先生に敬意を表するためホワイトハウスまで散歩の足を延ばした。休日でもあって、ラファイエット広場には観光客が多い。ブルカをかぶった婦人、揃いのTシャツを着た団体客、乳母車を押した親子連れ・・・多くの人がスマホで写真を撮っている。
 
 その先は広場とホワイトハウスを隔てる道路があって、歩行者天国になっていた。道路の両端には警察の車両が停まっていて、群衆の行動に目を光らせている。そこでは音楽をかけてパフォーマンスをする若い人たちの集団がいたほか、「Make America Fun Again」と書いたプラカードの後ろで傘をさして座っている男がいた。彼はトランプ先生のお面をかぶっていて、おもしろがって寄ってくる人たちに挨拶している。この男、少なくとも大統領支持者ではないだろう。

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 大統領を揶揄するような連中ばかりだろうなと思っていたら、サングラスをかけた男が微動もせずに仁王立ちしている。持っているプラカードには、「私はトランプ大統領を信頼する。彼は唯一北朝鮮キリスト教徒を解放できる男だ」などと書いてある。冗談かと思ったが、恐らく本気なのだろう。キリスト教徒を救えというからには、例の「福音派」なのかもしれない。
 
 パトロールカーのほかホワイトハウスの警備の警官もいるし、厳しい監視下だからあまり目立つ政治的パフォーマンスはない。しかし静かな中に、大統領の支持者と反対者がいて共に主張をしているという緊張感のようなものは感じた。ホワイトハウスの前という象徴的な場所で、アメリカ合衆国の分断を直接見ることができました。
 
<初出:2018.10>