名護市市長選、3選を狙った現職の稲嶺氏は敗れた。これは、普天間問題解決への天王山になるかもしれない選挙戦だったと思う。稲嶺候補を支援した各党や沖縄県知事からは「辺野古基地という争点隠しに敗れた」とのコメントがあった。実際当選した渡具知候補は、辺野古容認というような主張はせず経済振興のみを訴えた。辺野古基地問題に強硬に反対する稲嶺市長時代には、有形無形の支援が減っていったことは確かだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26517720V00C18A2MM0000/
僕の関連分野では、2015年に名護市国際会議場で「Cyber3」という国際会議が催された。ダボス会議で有名な世界経済フォーラムの肩入れもあり、国内外の有識者、有力企業が集い、担当大臣(沖縄出身の島尻氏)がキーノートを努める大イベントだった。これは稲嶺市制になる前に企画されたものである。
またそれより以前には、総務省の「ICTまちづくり懇談会」が地方都市30弱を選んで助成したケースでも名護市が選ばれていた。名護市は空港のある那覇から遠い。高速を通って2時間近くかかったような記憶がある。僕自身も「美ら海水族館」に行くために通過したことを含めて、3度しかいっていない。そのうちの2度は「Cyber3」と総務省イベントだった。そんなくらいだから、前沖縄県知事ではないが「沖縄振興はまだまだ足らないのだ」ということになる。いわゆる補助金は本当の振興につながらないという説にも一理はあるが、すでに貰ってしまっていてあてにしているお金が減ってしまうのは辛い。
秋には沖縄知事選が控えている。当面する普天間問題解決への、建設的な議論を期待したい。先ごろ亡くなった「政界の狙撃手」野中広務元官房長官は、普天間問題に正面から取り組み時間をかけて辺野古プランを進めた。それをブチ壊したのが「最低でも県外」といった最低総理だった。野中氏は遺骨は宜野湾に撒いてくれと言い残したそうで、その想いが成就することを祈念します。