安倍政権の支持率が少し持ち直し、トランプ政権も「白人至上主義者擁護」疑惑等で打撃を被りながら支持率は意外と下げない。そんな中、密月100日を経て、韓国文大統領が78%という高支持率を維持しているとの報道があった。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2017/08/18/0900000000AJP20170818001200882.HTML
失礼ながら、外から見る限り文政権がまともな成果を挙げているような気はしない。THAAD問題では中国の怒りを買い、観光客激減だけではなくいろいろな経済的締め付けが効きはじめている。中国の態度も大人気ないもので、意地悪というよりは制裁といっていいレベルである。対米ではFTAの見直しを迫られているし、日本とは慰安婦問題・徴用工問題でぎくしゃくしている。すでに「不可逆的に」終わったはずのことを何度も蒸し返されて、日本人としてはいい気はしない。
もともと国内市場を省みないでグローバル戦略をとってきた韓国財閥だが、上記のような国際関係の悪化と財閥そのものへの反発で（THAAD問題で特にヤリ玉に上がったロッテを含めて）苦境に立ち始めている。過去の政権なら財閥の危機にあたり政府が乗り出してテコいれ措置をするのだが、文政権にそれは期待できない。むしろ財閥の凋落を拍手喝采するだろう。
その姿を見て、カンボジアのポルポト政権を思い出してしまった。都市と農村の貧富の差が広がりその不満を背景に政権奪取した（毛イスト）であるポルポトは、農村に帰れとばかり都市の知識人を農村で強制労働させた。ひどいケースでは殺害してしまって、その犠牲者は300万人とも伝えられる。稼げる人を無くしてしまえば、そりゃ平等になるだろう。しかしその結果カンボジアの国際競争力はどうなったか？さしものポルポトも、世界中の富裕層・知識人を皆殺しにはできなかったので、自国が相対的に沈没することになった。
不気味に続く高い支持率、これによって韓国経済が国際的に孤立、弱体化してしまうような気がしてならない。まあお隣の半島の付け根の国は支持率100%でしょうから、仕方ないのかとも思いますが･･･。
＜初出：2017.8＞
