Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

支持率5%の政権

 韓国の朴大統領の支持率が、ついに5%に達したとの報道があった。急落しているのは当然として、ここまで落ちるとは思わなかった。韓国では金泳三大統領末期に6%を記録したというが、これを下回った。日本では、現在もオリンピックやラグビーワールドカップでご活躍中の森喜朗氏が首相の折、9%まで落ちたことがある。

 森首相は「わが国は天皇を中心とした神の国」だと発言するなど、失言が多く支持率を落とした。マスコミもこぞって失言を探し回り自民党に対する不信感が頂点に達したことから、「自民党をぶっ壊す」と気勢を上げた小泉純一郎議員に支持が集まり「小泉改革。長期政権」につながってゆく。

 5%という数字には特別な意味がある。ある種統計学的に言えば、支持ゼロといってもいい事態でだからだ。ヒトというのは、実に多様な生物である。満場一致などということは、本音を言わせたらありえない。どうしても5%の「変わり者」は存在する。

 
 ある心理学者が、極地探検のようなチームを率いて冒険に挑む人たちにインタビューをした記事を読んだことがある。「冒険の最中に事故などがあり、リーダーであるあなたが指揮を取れなくなった場合、指揮官を引き継げる人物はどのくらいいますか」というのが質問の内容。

 その心理学者によると、多くの回答は「20人にひとり」だった。彼はこの5%という数字を「エスパーの比率」と呼んだ。特にリーダーシップに優れた人という意味で、テレキネシスやテレパシーを操る者のことではない。つまり5%とは「例外」なのだと、僕は思った。

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 それ以降いろいろなシーンで「5%は例外」と考えて、コンセンサスを得るのは95%を目安にしてきた。その感覚からすると、すでに朴大統領を支持する人たちは(何らかの利害関係も含めて)例外の人ばかり、つまり本当の支持率はゼロと思えるのだ。

 今回の朴大統領と崔氏の問題だが、市民感情として長く蓄積された何かがあるのだろう。大統領に不当に近いがゆえに財を成し、安穏に暮らしている崔一族というイメージが実際以上に膨らんだか、マスコミが膨らませたのかもしれない。
 
 韓国はただでさえ経済が低迷し、市民に閉塞感がある。隣国も何をするか分からないし、最大の貿易国相手国である中国との関係もぎくしゃくしてきた。市民の怒り・不満が一気に噴出、青瓦台を飲み込もうとしている。
 
<初出:2016.11>