Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

続・暴言大統領

 毎度お騒がせのドゥテルテ大統領、今度は「米国と決別宣言」である。米国大統領に「地獄に落ちろ」と言った(であろう)人物はいくらでもいる。ビン・ラディンサダム・フセインも、アサド大統領だってそうだろう。古くは半狂乱になったヒトラーが、ルーズベルトを呪い殺したのかもしれない。

 
 しかし今でも同盟国であろうフィリピン大統領が言ったとすれば、ただ事ではない。最初は暴言を真に受けて首脳会談を中止しした米国国務省だが、そろそろあきれかえってしまい急激な反応はしないだろう。大統領選挙を戦っている最中は、南シナ海に自ら出かけてフィリピンの旗を立てると息巻いていた。
 
 一言一言を取り上げてどうこう言うのではなく、やはりこういう「暴言」を吐く一貫した理由を捜すべきだと思う。NINJAの推測では、彼は病気にかかっており、病名は「その場その場で一番ウケる言動をとりたい」症候群なのだろう。中国にいた時は「米国と決別」と言いながら、祖国に帰ると「外交断絶ではなく米国に常に従う姿勢からの脱却だ」と少しトーンダウンした。
 
 本当に米国大統領の前に出たら、米国よりの発言に変わるかもしれないのだが、当面訪米予定はないという。少し間をおいて、ほとぼりが冷めてから訪米するのがいいとは思うが、その時の相手がかの不動産王だったら目も当てられない。

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 ホラー話はさておくとして、「一番ウケる言動」の先駆者もいる。かの民主党初代の総理殿である。一番びっくりしたのは普天間問題でオバマ大統領に向かって"Trust me." と軽口をたたいた時。スタンフォード仕込みの英語だったとしても、首脳会談で飛び出す言葉ではあるまい。
 
 この方は、やはり政治家(ましてや首相)になるべき人ではなかったと思う。首相在任中も直前に会った人の意見を鵜吞みにして発言し、種々混乱を巻き起こした。引退してからも、クリミアに住むと発言したりAIIB顧問に就任するとか、外交上信じがたいことを繰り返している。ある種の人たちから見れば「国賊」であろうが、邪悪な意思をもって日本国にあだなすつもりではあるまい。
 
 目の前にいる人によって、易々とコントロールされてしまっているだけだ。批判はいろいろあろうが、中曽根元総理や小泉元総理は信念の人である。政治信念がブレることはない印象を、内外の政治家や国民に与えている。首脳が他国にコントロールされるようになってしまったら、外交は支離滅裂、防衛はスカスカということになる。フィリピンは、明らかに政治的危機を迎えている。
 
<初出:2016.10>