Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

インターネットはアメリカのもの

 確かに昔はそうだった。しかし、今では世界中の人のものである。インターネットは「世界インフラ」なのだ。ところが、今でも「アメリカのものだ」と思っている人たちがいる。今日、Uber が中国国内での事業から撤退することになった、との報道があった。Googleもかつて中国政府との暗闘の末、同じ決断をしている。

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 UberGoogleも米国企業というよりは、グローバル企業。それが「世界インフラ」たるインターネットに乗っかってビジネスできないというのは困ったものだと思う。かの国には"Great Fire-Wall" があり情報の出入りに制約があるが、それも「インターネットはアメリカのもの」という観念が強いことから来ている。確かにアメリカが「勝手に」決めたルールで運用されていて、いくつかの国の政府にとっては都合の悪いこともあるだろう。

 ところが、最近もうひとつの「アメリカのもの」論を聞いた。共和党大統領予備選に出馬していた、テッド・クルーズ上院議員だがやはり「インターネットはアメリカのもの」論を展開しているという。つまり、日本その他の国は「ただ乗り」をしていて、カネを払えという主張らしい。

 日本ではトランプ候補の暴言ばかりが報道され、他の候補の主張を詳しく報道されることは無かった。しかしクルーズ候補も、一皮向けばトランプ氏の「日本は安保にタダ乗りして、儲けている」論と大差ないではないか。あきれていると、通商に詳しい人が僕に「中国だって日本に漢字の使用料を払え、と言ってくるのだからおなじようなものだよ」とささやいた。
 
<初出:2016.8>