遊歩道から海岸を見下ろすと、鴨が群になって泳いでいる。何羽かは上陸してエサを漁り、羽毛繕いをしている。中には「単縦陣」を組んで泳いでくるのもいる。いずれにしても人には慣れ切っているようで、全く警戒をしていない。むしろエサをねだってくるのもいるくらいだ。上空をカモメが飛んでいくし、リスと思しき小動物が道路を素早く渡って茂みに消えた。
自転車に乗ったり、歩いている人間の方も、見事なダイバーシティ。東洋系、インド系、北欧系･･･。服装もまちまちである。杖を突く人や車いすの人も、同じように自然を楽しんでいる。この周回道路は自家用車も通るのだが、自転車も含めマナーは非常にいい。歩行者をみかけると徐行し、渡りそうな気配を見せると必ず止まってくれる。
砂浜も広がっていて、犬を連れて散歩している夫婦もいた。棒切れを海に投げると、ゴールデンリトリバーと思しきその犬は嬉々として拾いに行く。もちろん、犬かきである。休日ということで、子供たちも多い。子供たち向けの水遊び施設があって、大きな水鉄砲で撃ちあいをして歓声を上げている。そこを抜けて広めの芝生のところまで来ると、食べ物の焼けるいい匂い。軽食を売る店もあるのだが、芝生の上には何組かの家族が車座になってＢＢＱなど楽しんでいる。
こちらはインド人の一家、家長と思しき立派なターバンの男が皿の上のものを手でこねて口に運んでいる。あちらの北欧系家族は、広場に設置されているテーブルとベンチを使ってピクニック料理を広げ始めたところ。木陰に人は集まりがちだが、日差しが当たってもテーブルがある方がいいと思ったようだ。周りではフリスビーに興じている子供たちもいる。
のどかな休日のお昼でした。僕たちも少しお腹が空いてきた。バスに乗って、市街地に戻るとしよう。１／３くらいしか回れなかった公園だが、市民皆の財産だと思った。また来ることになるでしょう。その日まで･･･さよなら。
＜初出：2018.7＞
