少しだけだが、パリで街を歩く時間がとれた。リヨン駅前のホリディインの名前は「ホリディイン・バスティーユ」である。表に出ると、リヨン駅の反対側にバスティーユ広場の塔が見える。そこまでは、歩いて10分ほどである。リヨン駅から1ブロック南に行くと、セーヌ川に出る。そこはセーヌ川とサン・マルタン運河が交わるところだ。多くのレジャーボートが停泊していて、アルスナル港と呼ばれている。
ここからバスティーユ広場に向けて続く水路がサン・マルタン運河である。バスティーユ広場からは地下水路になるが、大通りの下をレピュビュリック広場まで流れ、さらに遡るとラ・ヴィレット貯水池まで続いている。全長は4.5km余り、映画「アメリ」の舞台となったところだ。
運河の東側は遊歩道や公園になっていて、朝のランニングをしている人たちもいる。ステーキハウスも営業していた。運河の突き当りにバスティーユの塔が見えるが、その手前は地下鉄1号線バスティーユ駅のプラットフォームになっている。一番古い地下鉄路線であり浅いところを走っているので、運河の上を通るからちょうど水面上のプラットフォームがあるのだ。
もう少し温かくなれば緑に覆われることになるのでしょうが、そうでなくてものんびりした美しい水辺です。物価高騰、貧困層も多くなったパリですが、市民は伝統ある資産を持っているのも確かです。
<初出:2018.3>