Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

パリのリヨン駅

ド=ゴール空港には午後3時ころに着いた。日本航空の便は2Eターミナルに着き、そこはいろいろなバスの乗り場の前である。しばらく待って、モンパルナス駅行きの直行バスに乗る。バスは2Aターミナルとターミナル1を巡ってようやく市街行きの高速道路に入った。

 
 何しろ巨大な空港で、ターミナル2が拡張しているだけでなく最近ターミナル3(LCC用?)も開業したらしい。2E始発のこのバスも、空港の中を廻るだけで20分近くかかった。高速道路も混んでいて時々渋滞に巻き込まれるし、さていつ着くのやらと思っていたら割合早くヴィンセンヌに着いた。ここで高速を降りて、あと地下鉄2駅分行けば目的地のリヨン駅である。

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 空港を出てから30分でリヨン駅前の停留所に到着、午後4時20分でまだ陽は高く、それほど寒くないのがありがたい。
 
 リヨン駅(Gare de Lyon)は文字通り、パリからリヨン方面への長距離列車が出るところ。ロンドンもそうだが、旧市街の端に各方面行きの駅があり、その方面の名前が付けられている。従ってパリには(東京と違い)パリ駅というものはない。
 
 リヨン駅からはバスティーユの塔が真っ直ぐの道路の向こうにはっきり見ることができる。バスティーユ監獄も市街の端、要塞跡地に作られたものだったし、セーヌ川の向かいにはアウステルリッツ駅もある。このあたりがパリ旧市街の南東の端にあたっていたということだ。
 
 駅は極めて荘厳な造りで、いくつもあるパリの駅の中でも見るに値するものだと思う。ただえてして長距離列車駅の周辺は浮浪者がたむろし、生活困窮者に交じってコソ泥の類も多い。今回は2泊だけの会合優先の旅、そんな輩に付き合っているヒマはない。怪しげな連中が集まっているところを避けて、駅からたった2ブロックのホテルを目指す。途中、コンビニのようなモノップという店を通るが、そこのゴミ箱を何人もの人たちが漁っている。
 
 商店が、夕刻に賞味期限切れの食品を大きなゴミ箱に捨てる。それを待っていた人たちの争奪戦が始まっていたわけ。何年かまえに、地下鉄で寝ている人が増えていて治安の悪化を感じ、バカンスをパリで過ごすことがなくなった。その後、バスティーユやリヨン駅に近いところでテロが何件か起きた。
 
 景気はそのころから改善していないと思った。治安も、以前よりパトカーの頻度は増えているようだが街中に警官の姿は見られない。軍人が堂々とライフル持って街中を歩いている、エルサレムとは違う。空港から便利なリヨン駅周辺、さて今後の滞在先になりますか、どうですか?
 
<初出:2018.3>