Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

大型クルーズ船

 クルーズというと滞在型の旅行でありながら、いろいろな場所を巡ることができる「良いとこ取り」のような旅である。滞在型が好きな僕たちも、いろいろ検討してみたことがある。毎日決まったディナーの席があって、同じ人たちと食事をするというのは気詰まりだが、もう少しカジュアルなものも増えているという。

 かつては旅客船のイメージだったものが、船の巨大化によって「街がまるごと移動」するくらいになって変わり始めたようだ。どのくらい大型化したか調べてみた。
 
飛鳥Ⅱ
 就航:1990年
 排水量:50,142トン
 全長:241m
 全幅:29.6m
 乗客定員:872人

Oasis of the Seas
 就航」2009年
 排水量:225,282トン
 全長:360m
 全幅:64m
 乗客定員:5,400人

 "Oasis of the Seas" は、排水量戦艦大和の3倍以上、ニミッツ級原子力空母の倍以上。拡張したパナマ運河でさえ通過できない。
 

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 これほど大きな船は50万トン級タンカーくらいしか思いつかない。接岸するのに必要な水深は11m以上。マストの高さ65mは、明石大橋でぎりぎり、レインボーブリッジ・横浜ベイブリッジ関門橋の下はくぐることができない。

 観光立国を目指すならば、このような大型船を接岸させ、大量の乗客を捌き、バスに乗せるなどしてインバウンド需要を喚起する必要があるだろう。今後も大型化は続くだろうが、仮に40万トン、喫水15m、乗客12,000人級のクルーズ船が出来てくると、接岸できる港は横浜港(水深18m)とあと2~3しかない。

 荷物を扱うだけが港ではない。このような需要、日本全体としてどう取り込んでゆくか、この種のインフラ整備も検討しなくてはいけないだろう。