Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

日本の港湾(1)

 僕が社会人になったころから、しばらく日本経済は「日出ずる」勢いで伸び続けた。円/ドルが徐々に円高に振れようが、日本バッシングが吹き荒れようが、経済は堅調だった。そのころは日本の港湾も活気にあふれていた。ひとつのバロメータとしてコンテナの取り扱い量を見てみよう。
 
http://www.mlit.go.jp/common/000228237.pdf

1980年           2014年
 1位 ニューヨーク    1位 上海
 2位 ロッテルダム    2位 シンガポール
 3位 香港        3位 深セン
 4位 神戸        4位 香港
 5位 高雄         ・
  ・           28位 東京
13位 横浜        48位 横浜
18位 東京        51位 名古屋
39位 大阪        56位 神戸
46位 名古屋        60位 大阪

 神戸を筆頭に、日本の港湾の落ち込みは著しい。逆に2014年には、上位は拡大中華圏と呼ばれる港が独占している。神戸の落ち込みは、1995年の阪神淡路大震災によるところが大きかった。しばらく取り扱いができなくなったが、その間も貿易を止めることはできない。

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 日本企業も含めて代替手段を模索した結果、仁川や釜山に一旦荷物を集め大型船に乗せ換えて目的地(欧米等)に送るようにした。神戸が復旧するまでの一時的措置だったはずだが、実際にやってみるとこちらの方が安い。もう戻れなくなってしまったわけ。

 関係者を集めて議論すると、港湾行政に問題があったかもしれないが、それが凋落の主原因かどうかは意見が分かれる。日本の産業そのものが、重厚長大から軽薄短小へ、ハードからソフト・サービスへ流れていて、絶対量として船を使わなくなったことが大きいという人もいる。

<続く>