Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

神のサラダ

 まだ海外旅行に慣れていなかったころ、家内とフィレンツェに出かけた。街全体が美術館のようなところで、見どころは沢山ある。それも旧市街に多いので、歩いて回れるのがいい。それに、何といってもトスカーナ地方のワイン「キャンティ・クラシコ」が呑みた~い。
 
 そこで予めパンフレットで旅行商品のあたりをつけると、2人で大手旅行会社の窓口に出かける日を決め(当時はこうでした)、意を決して出かけた。予約・購入したのは、フィレンツェ6泊の「個人旅行」。当時から1箇所滞在の指向はあったし、さすがに自由を束縛する添乗員は必要ない。
 
 さて成田からルフトハンザのフランクフルト行きに乗ったが、3人席で僕ら夫婦ともう一人の乗客と一緒になった。この人はどこかの旅行社の添乗員らしく、忙しく書類を調べたり乗客のケアに立ち働く。あわただしい気分もあって、あまり眠れない。フランクフルト空港は広い。今のようにラウンジで仮眠というようなご身分でもなく、バスで乗り継ぎの機体(イギリス製アブロ・ジェットだった)についたころにはヘロヘロ状態。
 
 フィレンツェ空港から市街地までも長く感じられ、荷物をほどいて街にでようかというころにはヘロヘロヘロになっていた。あたりは暗くなってくるし、冷たい雨もシトシト降ってくる。4月はまだ寒いな~と思いながらディナーの店を捜す。
 
 お目当ての赤ワインも、そんなには呑めないかもしれない。食欲がわいてこないのだ。ようやく店を決め、メニューリストを見て、トマト&モッツアレラのサラダを食べようということになった。とてもフィレンツェ発祥という、Tボーンステーキを食べられる状況ではない。
 

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 やってきたサラダを一口食べて・・・。トマトの軽い酸味と濃厚なチーズの味、絶妙なバランスに生き返りました。まさに、これは「神のサラダ」。翌日からの街歩きをする気にさせてくれた、思い出のメニューです。