Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

政治家と司令官の間

 「海兵隊が抑止力だとは知らなかった」と、普天間問題を始末できずに辞任した民主党鳩山首相に代わって首相の座に就いたのは、同年で同じく理系の菅直人議員である。宇宙人と呼ばれた前任者に比べて、新党さきがけ時代に厚生大臣の経験もあり、この時は「薬害エイズ事件」を治めた実績もある。民主党そのものは不慣れで現実離れした政策を振りかざしていたが、彼については首相として少しは期待するところもあった。

 
 環境問題には積極的で、CO2削減のため「原子力発電比率を50%まで上げる」と表明していた。パリ協定もあり、石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料をどう減らすか、風力・太陽光・太陽熱・地熱などの自然エネルギーの安定供給が見通せない中、妥当な方策だと僕は思った。
 
 彼の在任中に東日本大震災が起きて、福島第一原子力発電所の事故が起こった。この時の首相の対応は、妥当どころか極めて問題だったと思う。東京電力に乗り込んだだけでなく、福島の現場にまでヘリコプターで足を運んだ。これらの行動については、危機状態にある日本国の司令官としてはあってはならないことである。

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 このような立場の人が行けば、その対応に限られた人員を割くことになってしまう。この行動は、政治家としてのパフォーマンスとしてはうなづけるものの、危機状態・戦争状態の司令官としては全くNGである。そのような経験をお持ちの方が、「原発ゼロ」を旗頭に現総理を糾弾したという。
 
 
 何をかいわんやであるが、この方は政治家(もともとは市民運動家)としてはまずまずでも、国家指導者としての司令官としては全くダメだったということだし、それを反省されている様子もない。なぜか社会党代表の方や市民運動家の方が首相のときに、阪神淡路や東日本大震災のような災害が起きるのは偶然でしょうかね。
 
<初出:2018.2>