国連機関も多く位置し、永世中立国として知られる国スイス。物価は高いが、夏季を中心に多くの観光客がやってくるリゾートの国でもある。一年で一番寒いころ、世界の経済をリードする人たちが集う「ダボス会議」の舞台もここにある。風光明媚な山々、ゆったりと草を食む牛たち、のどかな街並みとトラムなどを見ていると、平和な国だとだれもが思う。しかしその背後に小規模だが強力な軍事力があることを知る人は、(特に日本人には)多くない。
峻険な山岳地系であり、戦車や自走砲などの戦闘車両は平地ほどの機動性を発揮できない。もし大規模な侵攻があっても、地形を活かしたゲリラ戦を戦えば侵攻軍を苦しめることができるだろう。アフガニスタン侵攻の失敗が引金になって崩壊したソ連という国を見れば、その恐ろしさが分かるというものだ。そんなスイスで、かなりの規模の地下施設が見つかったという記事がこれ。
ここではナチスドイツの侵攻に備えた施設だとの記述があるが、これをそのまま信じる気にはなれない。国土の7割はドイツ語圏でありドイツとの親交が深いスイスのこと、永世中立国ではありながら親ドイツとも見られていた。場合によっては、ナチスの側に立って闘うための施設であったかもしれないと僕は思う。