日欧のEPA(経済連携協定)交渉が大枠合意に至ったという。安倍首相は、今月のG20サミット(今年はドイツが議長国)までに決着を図るとしていた。とかく農業分野などでTPP同様業界の懸念が報道されるが、僕たちから見ると「貿易の自由化だけでなく、投資、労働環境など、幅広いルールを共有する。TPPと同じく21世紀の経済秩序のモデルだ」という首相の主張には同意できる。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS24H0M_U7A620C1EA3000/
・国境を渡るデータフローを確保
・地域でのサービス提供の前提として、サーバーやデータの設置義務付けを禁止
・製品等の地域での販売の前提として、ソースコードの開示を求めることの禁止
は、今後の国際連携協定の最低原則だと思っていて、日欧EPAにおいてもそれが盛り込まれることを望んでいる。それだけでなく、TPPが付けた金融分野の除外・政府調達の除外規定は破棄して、全ての分野で3条件が満たされるようにして欲しいと思っている。日欧EPAの交渉最終結果については、TPPのとき同様祈るしかないが。
ところで欧州との間では、EPAの埒外にもうひとつ個人情報に関するデータ越境問題がある。28カ国(含む英国)も入っている上に、人権問題に意識の高い(ウルサイともいう)国があって、個人情報保護に関しては一層の注意が必要だ。以前に紹介したように、ナチスのユダヤ人迫害にも紙ベースのデータベースが活用された。デジタル時代になると一層大量・迅速な処理が可能で、より広範な人権侵害が起きるかもしれないという危惧がある。その欧州で、個人情報保護規制が強化される時期が約1年後に迫ってきた。
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO1802451023062017TCJ000/
<続く>