4年に一度、11月の最初の月曜日の次の火曜日、アメリカが赤と青に塗り分けられる日がやってくる。おそらく東海岸と西海岸の沿岸部は青色に、中央部分は赤色に染まるだろう。僕は南東に張り出した半島がどの色になるかで、勝負が決まると思っている。ある会合で、アメリカの政治状況を聞くことができた。共和党(赤)と民主党(青)各々の党員意識が、変わってきているという。かつては、
◆共和党
◆民主党
という区分があった。ところが、このような区分はもはや存在しないと有識者が言う。特に対外政策に関しては逆転現象が起きているらしい。
現在両党の大統領候補とも、TPPには反対している。しかし主張をもう少し詳しく見ると、クリントン候補は「今のTPPには反対」と言っていて、TPP全てを否定しているわけではない。一方トランプ候補はまるきり反対、国境にカベを作るとまで言っている。今まで共和党を支持してきた白人中間所得層とその子供たちが、グローバル化の波を浴びて没落している。何度か述べたように、グローバル化は先進国の人と発展途上国の人の仕事と収入を平準化する。当然、日米欧では仕事が減ったり、年収が減ることになる。
共和党支持者は、もうこれ以上のグローバル化はごめんだと思っている。中東に依存していた石油もシェールオイルが自国内で採れるので、市民の血を流して中東を安定させる必要を感じていない。保護主義、モンロー主義への傾倒である。僕としては、アメリカに保護主義が台頭するのは困る。さて、市民の審判はどうなるだろうか?
<初出:2016.11>