Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

アスコット丸の内東京

 年末の忙しい時期だが、夫婦で東京に出かける用事ができて、この際だからと都心で一泊することにした。利便性を考えて丸の内近辺で探してみると新しいホテルがいくつも検索できた。10年以上前から、丸ビル、新丸ビルの建て替えに始まり、東京駅前郵便局が「KITTE」になるなど、丸の内エリアの変貌は激しい。必然的に高層ビルになるので低層部分にショップ、中層部分にオフィス、高層部分はホテルというものも増えてきたからだろう。

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 今回は旧三和銀行本店跡地に数年前に建ったビルの22階以上を占める「アスコット丸の内東京」を選んだ。僕たち夫婦が最初の「暮らすパリ」を経験したシタディーヌの系列で、より高級なホテルだという。案内されたのは、皇居を望む側のスチューディオ。なかなか立派な設備であるが、窓の外は暗くてわからない。チェックイン後早々に出かけ、戻って来て直ぐに眠ってしまった。
 
 翌朝は快晴になり、目が覚めて眺望に驚いた。皇居を含めて江戸城の本丸が眼下にある。紅葉が始まっていて、広々とした森林地帯が高層ビルの間に美しく広がっている。警視庁も国会議事堂も、皇居の向こう側に小さく見える。北に目を転じると、本丸の北の端に天守台が見えた。
 
 画像では緑色の屋根のある建物の向こう側にあるのがそれ、意外と小さいものだが5層の天守閣が乗っかていたものだという。江戸城天守は1606年にここより少し南に建てられ、1622年にこの付近に移されたが、1657年「明暦の大火」で焼失、その後天守台は改修されたものの天守閣そのものは再建されなかった。
 
 もうそのころには平和な時代になるとともに、大砲の性能が上がって従来型の天守閣はいい的になっていた。大阪城の落城がそれを証明している。徳川幕府も、単なる象徴にはお金をかけなかったのだろう。そんな想いをさせてくれる、素晴らしい眺望のアスコットでした。
 
<初出:2017.12>