Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

観光都市の路面電車

 京都という街へは、あまり行ったことがない。純粋な観光も、大学卒業以降記憶がない。仕事でも縁がなく、この10年でも2度、それも京都大学でのイベントに参加しただけだ。新幹線で京都駅についてどうしたかというと、向かったのは地下鉄。大学キャンパスまではかなり遠いのだが、最寄り駅で降りて古い街並みを歩いて行った。

 
 札幌や名古屋ほどではないが、比較的道路は広い。しかし車の渋滞は激しく、路線バスもなかなか前に進めないようだ。バスにしなくてよかったなと思ったが、地下鉄+徒歩にしたのは渋滞を予想したからではない。バス路線がわかりにくかったからだ。わからないことが、地方の公共交通(特にバス)が使われない最大の理由と識者は言う。この時の僕の感覚もそれで、例え本数が少なくても行先が確かなら、商用の時間は待つことができた。しかし不慣れな街で、複雑な路線系統を見て確実なのは地下鉄+徒歩だと考えたのだ。

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 今回、Newsweekに面白い記事が載った。かつて京都の街を走っていた路面電車を廃止したのは誤りだと言うのだ。1965年には年間2.5億人を運んでいた京都の路面電車だが、自家用車の普及、人口分布のドーナツ化、地下鉄の開業で利用者が減り、1978年に喘鳴廃止が決まった。記事は、世界各国の観光都市が、路面電車やLRTを維持していることを挙げてこの決定は誤りだったとし、復活の道はないかと課題を投げかけている。
 
 
 路面電車の路線はバスに比べればわかりやすく、僕ら夫婦もデュッセルドルフでもフランクルルトでも路面電車の路線図を持って観光に歩いた。地下鉄もあったが景色が見られない(郊外は地上を走ることも多いが)のが難点。市内電車のある街は日本でも大好きで、毎年行く函館はもちろん鹿児島、広島などはいい思い出がある。京都も、もし路面電車を復活させてくれるなら喜んでいくのですがね。
 
<初出:2018.6>

「富士そば」のかつカレー

 新橋駅から霞ヶ関方面に歩いてゆくと、ワンコインランチのお店がたくさんある。あと1ブロックで東京メトロ虎ノ門駅まで来た。西新橋一丁目交差点である。南を見ると「小諸そば」が見える。西は霞ヶ関ビルに向けて、「吉野家」「はなまるうどん」がある。これはワンコインでは食べられないが、「いきなりステーキ」まである。

 
 その交差点に、かつては「梅もと」というそばチェーンがあった。間口が狭い割に奥行きがあり、奥が厨房なので客が座るところが妙に間延びした感じだった。それが昨今改装されて「富士そば」になった。厨房は中央部になり、カウンターでさっさと済ませる客は入り口近くに、落ち着いてちょい呑みしたい客は奥のテーブル席と分けたレイアウトになっていた。内装も小綺麗になっている。
 
 そこでは、開店のご祝儀なのか、限定メニューの看板が出ていた。NINJAも「今だけ・ここだけ・あなただけ」には弱い。ふらふらと店に吸い込まれた。

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 限定メニューとは、「かつカレー」500円なり。よく考えてみれば、すでに「富士そば」で出しているメニューの組み合わせである。カレーライスは通常メニューだし、トンカツもかつ丼のそれを流用すれば済む。かつ丼490円に比べて、スープがなく、タマゴと玉ねぎもいらない。調理の手間も少なく、コストは抑えられるはずだ。これなら虎ノ門店限定でなくてもすぐ提供できるはず。まあ、テストマーケティングなのだろう。
 
 え、お味の方は?うーん、まあ想像通りでした。
 
<初出:2017.8>

さらに「重ね食い」

 以前「究極の重ね食い」と紹介した浜松餃子の店、「五味八珍」。餃子は確かに美味しいので、おなかの空いた時には食べたくなることがある。浜松餃子と銘打っているだけあって、直営店43店舗のうち38店舗は静岡県内にある。(愛知県に4、山梨県に1店舗)

 
 これらのうち一番東にあるのが、一昨年熱海駅改装で開業したラスカの3階にある店舗。海鮮料理を中心にした居酒屋「伊豆太郎」、定食屋「ばんばん食堂」、パスタ専門店と並んで、「中華ファミリーレストラン」のカンバンを掲げている。海開きも終わり夏真っ盛りということもあり、熱海の人出は非常に多い。しかし混み合うのも宵の口まで。「伊豆太郎」では杯を重ねている集団もいるのだが、それを横目に今夜はここで禁酒日のディナーとしようと思う。

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 メインの浜松餃子は3個や6個のメニューもあるが、これをを円形に12個配置した餃子一皿は是非食べたい。これに、麺類や炒飯を付けたセットがおすすめ。前回はつけ麺を頼んだら白いご飯まで付いてきてびっくりしたが、今回は覚悟を決めて浜松餃子・炒飯セットをを頼む。
 
 しばらくして、いい焼き色がついて茹でもやしを添えられた12個の餃子、シイタケとタマゴの浮いたスープと炒飯が運ばれてきた。これで、1,069円なり。初お目見えの炒飯は、みじん切りにしたハムとチャーシュー、パプリカなどが混ざり合っている。味付けはスープ同様薄めで、主張は控えめ。しっかりとした味は、売り物の餃子で味わってほしいということかもしれない。
 
 餃子を1個1個はがしながら半分づつかじり、その間にスープや炒飯で口直しをする感覚でした。炒飯の量は器が大きいだけで想定よりも少なめとはいえ、満腹になりました。うん、これだけ食べれば十分です。来週も、ランチは控えめにして節制しますよ。
 
<初出:2018.7>

投手の分業制がここまで

 大谷翔平選手のトミージョン手術は、成功したとの報道があった。来期は投手としては出場できないが、2020年にはマウンド姿を見られるかもしれない。ニューヨーク・ヤンキースの田中投手はじめ何人もの日本球界出身の投手がメジャーで活躍している。今年も西武ライオンズの菊池投手など何人かがメジャーリーグに移籍する可能性がある。

 
 日本の野球が技術も体力も向上していることは確かだが、このように投手の移籍が目立つのはそれだけメジャーリーグの投手不足(質×量)にあるだろう。それを象徴するような記事があった。
 
 
 投手陣のコマが揃わない「弱小球団」だった、タンパベイ・レイズ。今シーズンは異例の投手起用で、90勝72敗と大きく勝ち越してシーズンを終えた。普通先発投手は6イニング、100球ほどは投げてほしいものだが、このチームの場合先発投手とは最初に投げる順番の投手という意味しかない。ゲーム終盤のリリーフ投手同様、1~2イニングで次の投手にマウンドを譲る継投で、長いシーズンを戦い抜いたと言うのだから驚く。

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 かつて大投手がいた時代、主戦投手とは先発完投するのが当たり前だった。しかしバッテイングマシンなど打つ方の練習の機械化はどんどん進んでいるのに、投げる方は生身で投げるしかない。投打のバランスが崩れたため、リリーフ専門投手が生まれそういうポストを評価するためセーブとかホールドといったリリーフ用の記録が生まれた。
 
 完投は期待されなくても、先発投手にはQSことクオリティスタートという評価基準がある。6イニング以上投げ3自責点以内におさめればいいというもの。防御率にすれば4.50だから飛び切りいい数字ではないが、これなら合格点が挙げられるということだ。
 
 そこまで甘くしてもらった先発投手の評価だが、それも難しいことになったのだろう。先発投手はたとえ10点取ってもらっても、5イニング投げ切らないと勝利投手になれない。負けこそすれ、絶対に勝ち投手になれない「ショート先発」、チームのためとはいえ、もの悲しいものがありますね。
 
<初出:2018.10>

禁酒日のディナー(なか卯)

 公私を問わず海外に行ってくると、どうしても禁酒日が作れない日々が続く。1週間ちょっと「暮らすxx」みたいな旅行企画では、当然夫婦で現地のお酒を呑みたいので無理。今回のように2泊4日の弾丸出張でも、睡眠時間がズレるせいもあって往復や現地でのお酒は欠かせない。

 
 だから、帰国したその後が問題になる。ここで思い出話などしながらダラダラ飲み続けると、体にいまいち切れがなくなるように感じる。最近週に1~2度はお酒を抜いているので、体がそれに慣れてしまったのだろう。トシのせいもあろうが、習慣としては悪い話ではない。
 
 そんなわけで、今日は禁酒にしようと思い立ち、会社帰りに近くの「なか卯」に立ち寄った。ここのディナーメニューは17時から。おおむね690円だが、590円など別の単価のものもある。財布の中にお年玉クーポンが1枚残っていたので、今夜はここでディナーとする気になった。
 
 お年玉クーポンは通常のクーポンと違い、鳥唐揚げが3個(通常は2個)付いてくるというもの。おかずが1品増えるのだから、一番安いセットでいいやと選んだのは「牛皿セット」590円なり。

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 食券を買って席に着いたが、まだ18時ころとあってディナー客も少ない。朝8時ころの喧騒や、ランチタイムの行列とは全く違った店の顔を見ることができる。中央に鎮座しているのがクーポンの「3カラ」。左下から時計回りに、ご飯(大盛り無料だがそれは遠慮)、味噌汁、ドレッシング(フレンチオニオン)、コールスロー・コーンサラダ、牛皿、白菜の漬物といっぱしのディナーになっている。
 
 ちょっとカロリーが心配だがフレンチオニオンドレッシングが結構いい味で、唐揚げも温かいし、漬物もいい漬かり具合。もちろん、牛皿はいつもの味で、結構お得なディナーでした。このくらいのものが食べられるのなら、禁酒もそう辛くは・・・ないです。ええ、辛くないですよ。頑張ります。
 
<初出:2019.2>