Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

白エビのかき揚げ蕎麦

 寒くなって来て、ときおり小雨も降り始めるとランチに出るのもおっくうになる。こうなると地下続きでいけるお店は、ありがたい。東京駅丸の内北口地下にある「いろり庵きらく」は、北口改札から東京メトロ東西線大手町駅に向かう地下通路にある。

 
 このあたりすっかり模様が変わり、QB-Houseや立ち食い寿司店もできた。東京オリンピックパラリンピックまでにリニューアルしようというのだろう、地上だけでなく地下の整備もかなり進んできた。そんなわけで、今日のランチは(何度も紹介したが)このお店。
 
 時期ものとして選んだのが「白えびかき揚そば」、500円なり。白えびは富山湾の特産品。立山から富山に下るあたりの傾斜は世界でも有数の激しさで、流れる川を見たドイツ人は「これは川ではない、滝だ」と驚いた。この傾斜は水面下でも続いていて、富山湾は急激に深くなっていく。陸地に近い「深海」というのは湾の特徴である。つまり白えびは深海生物なのだ。

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 何度か富山市は訪れていて、ときおり白えびのかき揚げはたべたことがある(もちろんお刺身も・・・)。それが東京駅で食べられるのは嬉しい。で、注文したのだが、あまり白えびは目立たない。熱を加えても赤くはならないようだ。かき揚げは、非常にぶ厚い。これは何処かのそばチェーンの貧相ともいえるかき揚げとは比較にならない。
 
 美味しく頂きましたが、冬になって寒いとか小雨だとか言って地下に潜るのは、冬場あまり太陽を見ることができない富山の人たちから見れば、軟弱の極みでしょうね。すみません。
 
<初出:2017.12>

STAR WARSのフライト

 短いブリュッセル滞在を終えて、中央駅から空港に向かった。ちょうど退勤時の混み合う時間帯で、中央駅のプラットフォームは人であふれていた。軽量化しているとはいえ荷物を持って、言葉(ワロン語フラマン語)も分からない東洋人には不安が大きい。ブリュッセルの表記すら、BuruxellesとBrusselの2つがあって、戸惑ってしまう。


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 それでも、空港の地下に列車が入ってくれるのは有難い。昨年末にここから飛び立った時は少し待たされた青い日系航空会社のカウンターでも、荷物検査でも、イミグレーションでも手続きはすぐ終わり、早めにゲートまで来ることが出来た。
 
 この空港はある意味愛想がない。イミグレーションの後は延々免税店の間を蛇行して歩かされるし、ラウンジも他の空港に比べると魅力がない。免税店の入口は真っ赤に染められ、完全に中国人観光客御用達状態だった。そう春節の「中華民族大移動期」なのだ。イスとテーブルが並んだだけの、まるで教室のようなラウンジで1時間あまり過ごし、ようやく搭乗。飛行機はとみると、「STAR-WARS仕様」の機体だった。
 
 今回のはブルーが基調の、R2D2塗装である。昨年ワシントンDC便で乗ったのは、イエローが基調のBB-8塗装のだった。ブルーとイエローの他にもあるのだろうか?帰路はビジネスクラスにアップグレードしてあって、座席に収まると、CAのお姉さんの顔に見覚えが・・・。そう2泊4日だと、往復のクルーは同じなことが多い。「おかえりなさい」と言われて、疲れもあってほっとした。
 
 飛び立ってしばらくして、出されたアミューズについてきた紙ナプキンもR2D2仕様。白ワインを3杯ばかり飲んで眠った。起きたのはシベリア上空、まだ5時間以上のフライト時間がある。思い立ってチーズの盛り合わせを頼み、路線限定のポートワインを貰った。

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 ゆっくり休んで「弾丸出張」を終えることが出来た。インフルエンザも流行っているし、底冷えのするブリュッセルの街への往復、体調を崩さないように気を付けていたのだが、なんとか乗り切れたよう。次の週は予定が割と詰まってしまっていて、もう少し頑張らないといけないようです。
 
<初出:2019.2>

空飛ぶ巨大ウミガメ

 青い日系航空会社が、今年5月からホノルル路線に世界最大の旅客機エアバスA380を就航させる。今月その初号機引き渡しが、フランスのトゥールーズで行われるとの報道があった。

 
 
 「フライング・ホヌ」(ホヌとはウミガメのこと)と名付けられたこの機体、520人もの乗客を一度に運ぶことができる。50年間飛び続けているボーイング747を引退に追い込むとの意図で設計されたというが、747が一部二階建てになっているところこの機体は総二階建てである。特徴的なのは、プレミアムエコノミーが73席もあって、ビジネス(56席)よりも多いこと。日本からの飛行時間が7時間あまりと近いことから、プレミアムエコノミーで十分と感じる顧客が多いからだろう。もちろん、ビジネス客より観光客の方が多いだろうとの計算もあるはずだ。

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 ただ全世界的にみると、A380には逆風が吹いている。このような巨人機でハブ空港間を結びトランジットしてもらおうというより、2発の中型機でピアtoピアで都市間を結ぶほうが主流になってきているからだ。現実にエミレーツ航空は40機近いA380をキャンセル、中型機の発注に替えた。これが引き金になって販売不振だったA380の受注残が事実上なくなり、エアバス社はA380の生産中止に追い込まれた。ルフトハンザなどは保有しているA380を売りに出してすらいる。そんな機材を青い日系航空会社は3機購入・運用することになるのだが大丈夫だろうか?
 
 もともと日本・ハワイ路線は、赤い日系航空会社が長い時間かけて開拓してきたもの。そこに非常に大きなキャパシティをぶつけて市場を奪おうというわけだ。旅行者としては、値崩れとはいかないまでも相応の値下げが起きてくれればありがたい。これは両社(特に青い方)の経営陣から見れば困った話、A380を運用するには大きな固定費がかかる。1席空くごとにダメージを受けることになる。
 
 一見すると青い方の積極経営に見えるのだが、何らかの事情で3機購入せざるを得なくなり、苦肉の策でのホノルル路線投入ではないかと危惧する。経営破綻したスカイマークA380をキャンセルするにあたり、多くの交渉があったようだ。スカイマークは青い日系航空会社の支援で立ち直りかけているが、支援の一環としてエアバス社へのオブリゲーションを負ったのなら困った話。まさか、国交省や政治家がウラで動いていませんよね?
 
<初出:2019.3>

新しい店(ビストロ・クレアンテ)

 日本流のカレーライスは具材を炒めるのに油を使い、ルウにも小麦粉が使われている。見た目よりカロリーが高い。これにトンカツなどを乗っければ、体重増加一直線になってしまう。若い頃は「CoCo壱番屋」によく通い、「メンチカツと野菜のMIX、1カラで400g」などと注文していたのであるが、最近は遠慮していた。


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 しかしこの夏、函館で「小いけ本店」のカレーライスを食べて、ちょっとだけ目覚めてしまった。それから1回/月くらい食べるようになったが、特段体重に変化はない。この料理は本当に「なんでもあり」なので、多種多様なものが巷にあふれている。牛丼チェーンの全てにこのメニューはあるし、「松屋」などは昔からこれを「吉野家」への差別化メニューと位置付けていた。
 
 今回ランチを何にしようかと八重洲地下街を歩いていて、いつもは素通りしている「ビストロ・クレアンテ」の前で足を止めた。この場所、以前はトンカツのチェーン店だったような記憶がある。それが、洋食屋さんになって、床面積の2/3ほどがアンガス牛ステーキなどをテーブルで注文する店。残りが写真のように、食券の自動販売機を備えたカウンターである。

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 カウンター部分では、手軽にカレーとパスタを食べることができる。気分はカレーだったので、一番大きな写真で宣伝している「チキンカレー」(780円)の食券を買った。食券を受け取ったのは日本人だが、キッチンの中にはインド人と思しき料理人もいる。運ばれてきた皿には、チキンの大き目のぶつ切りが2つ入っている以外はかすかにタマネギらしきものが見えるだけ。よく煮込まれているようだ。
 
 テーブルにある福神漬けを少し添えてソースを味わうと、「う!辛い」。確かに店頭には「辛め」と書いてあった。「CoCo壱番屋」の辛さ基準からすると、3カラあたり。僕が普通に食べられる上限値である。それでも食べているうちに旨味を感じられるようになるのがいい。舌がしびれて、だまされているのかもしれないが。
 
 しばらく前、「松屋」のカレーを辛いだけだと思ったのですが、さすがにこれは違いました。ただあれだけ辛いのですから、もう少しご飯の量があると良かったですね。
 
<初出:2018.11>

丸一日帝国ホテル

 毎年10月末ころに、日米産業界の偉い人が集まって行われる恒例の会議、4年ほど前から「デジタル経済」がテーマのひとつに入って、僕もお手伝いをさせてもらうことになった。1年毎にワシントンDCと東京で交互に開催されることになっていて、昨年はDC、今年は東京の順番である。

 
 早いもので今年もその会合が近づいている。会合の1ヵ月少々前に、スタッフ会合が行われるのも恒例。この準備会合すら帝国ホテルで行われるのが、この伝統ある会議の恐ろしいところ。総務省の「電波の日」イベントとこの会議くらいでしか入れてもらえない場所なので、僕にとっては貴重な会合といえる。
 
 今回も朝のミーティングから、午前中は専門分野に分かれての会議、ビュッフェスタイルのランチを挟んで午後は大広間で全体会合。最後にカクテルレセプションまで付いている。人数は少ないけれど米国からやってくる人もいるし、在日米国企業にも外国人は何人かいる。したがって午前中は逐語通訳、午後の全体会合は同時通訳がつく。
 
 僕も(相変わらず英語はからっぺただが)少しこういう会合に慣れてきて、逐語通訳をもどかしく感じることもある。ちょっと議論が白熱してくると、通訳のことを忘れて日本語で話し続けたり、すぐ反論しようとする人もいるからだ。出席者の大半の日本人は英語に堪能なようで、面倒くさくなると英語で話し始める。

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 それと合わせて、会合の合間の立ち話、ランチやカクテルレセプションでは英語の会話も多くなる。このところ海外出張も減っているので、英語脳がナマっているようでよくわからないことも多い。それでもなんとかしのげる(ごまかせる?)のはトシノコウというやつ。
 
 結局お楽しみは、久し振りの帝国ホテルの料理だけだった。特に炒飯、美味しかったです。ご馳走様でしたけど、疲れました。
 
<初出:2018.9>