Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

投手の分業制がここまで

 大谷翔平選手のトミージョン手術は、成功したとの報道があった。来期は投手としては出場できないが、2020年にはマウンド姿を見られるかもしれない。ニューヨーク・ヤンキースの田中投手はじめ何人もの日本球界出身の投手がメジャーで活躍している。今年も西武ライオンズの菊池投手など何人かがメジャーリーグに移籍する可能性がある。

 
 日本の野球が技術も体力も向上していることは確かだが、このように投手の移籍が目立つのはそれだけメジャーリーグの投手不足(質×量)にあるだろう。それを象徴するような記事があった。
 
 
 投手陣のコマが揃わない「弱小球団」だった、タンパベイ・レイズ。今シーズンは異例の投手起用で、90勝72敗と大きく勝ち越してシーズンを終えた。普通先発投手は6イニング、100球ほどは投げてほしいものだが、このチームの場合先発投手とは最初に投げる順番の投手という意味しかない。ゲーム終盤のリリーフ投手同様、1~2イニングで次の投手にマウンドを譲る継投で、長いシーズンを戦い抜いたと言うのだから驚く。

    f:id:nicky-akira:20190720201708p:plain

 かつて大投手がいた時代、主戦投手とは先発完投するのが当たり前だった。しかしバッテイングマシンなど打つ方の練習の機械化はどんどん進んでいるのに、投げる方は生身で投げるしかない。投打のバランスが崩れたため、リリーフ専門投手が生まれそういうポストを評価するためセーブとかホールドといったリリーフ用の記録が生まれた。
 
 完投は期待されなくても、先発投手にはQSことクオリティスタートという評価基準がある。6イニング以上投げ3自責点以内におさめればいいというもの。防御率にすれば4.50だから飛び切りいい数字ではないが、これなら合格点が挙げられるということだ。
 
 そこまで甘くしてもらった先発投手の評価だが、それも難しいことになったのだろう。先発投手はたとえ10点取ってもらっても、5イニング投げ切らないと勝利投手になれない。負けこそすれ、絶対に勝ち投手になれない「ショート先発」、チームのためとはいえ、もの悲しいものがありますね。
 
<初出:2018.10>