Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

レストラン「オーシャングリル」

 以前、沖縄の定宿「ムーンオーシャン宜野湾」をご紹介している。このコンドミニアムへは、那覇空港から空港リムジンバスで30分強。国道58号線宜野湾市に入り、大謝名(おおじゃな)の交差点を左に曲がった宜野湾バイパス沿いにある。

 宜野湾バイパスは、58号線と牧港(まきみなと)交差点で別れ、海岸線を通って伊佐(いさ)で再び58号線に合流する新しい道路だ。片側2車線だが、中央分離帯にやしの木などが植えてあって風情がいい。コンベンションセンターやラグナガーデンホテル、宜野湾海浜公園、宜野湾港マリーナもこの道沿いにある。宜野湾市立野球場では、2月には横浜ベイスターズがキャンプを行う。

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 このコンドミニアムには「オーシャングリル」というレストランがあって、滞在中1~2度はランチを食べることにしている。オーシャングリルは、バイパスに隣接する庭に面していて明るいテラス席もある。

http://www.moonoceanginowan.jp/detail.jsp?id=18850&menuid=5727&funcid=1

 とても雰囲気がいいので、宿泊客だけでなく地元のお客さんも多く利用されているようだ。ご婦人ばかりの数人の集まり、小さな子供も含めた3世代家族も良く目にする。そして、もちろん国際色豊かな宿泊客の皆さん。韓国や中国からの、幼い子供を連れた家族も来る。特にクリスマス時期には、米国の軍人とおぼしきカップルがテーブルをはさんで談笑しているのを見かける。

 料理は言うまでも無く本格的。中でも売り物は、グリルと称するだけあって焼き物・揚げ物である。大体スープ・サラダ・パンと飲み物がついたランチセットを頼むのだが、サラダドレッシングひとつとってもなかなかの味である。ちなみに、メニューに沖縄独特のもの(沖縄そばラフテー・島らっきょうなど)はない。食材は石垣牛などを使っていても、ここは正統派の洋食屋さんなのだ。

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 家内と僕は、沖縄の食材は付近で買ってきて部屋のキッチンで料理、たまには本格的な洋食を食べにレストランへ、という滞在を楽しんでいる。
 
<初出:2016.6>

インターネットはアメリカのもの

 確かに昔はそうだった。しかし、今では世界中の人のものである。インターネットは「世界インフラ」なのだ。ところが、今でも「アメリカのものだ」と思っている人たちがいる。今日、Uber が中国国内での事業から撤退することになった、との報道があった。Googleもかつて中国政府との暗闘の末、同じ決断をしている。

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 UberGoogleも米国企業というよりは、グローバル企業。それが「世界インフラ」たるインターネットに乗っかってビジネスできないというのは困ったものだと思う。かの国には"Great Fire-Wall" があり情報の出入りに制約があるが、それも「インターネットはアメリカのもの」という観念が強いことから来ている。確かにアメリカが「勝手に」決めたルールで運用されていて、いくつかの国の政府にとっては都合の悪いこともあるだろう。

 ところが、最近もうひとつの「アメリカのもの」論を聞いた。共和党大統領予備選に出馬していた、テッド・クルーズ上院議員だがやはり「インターネットはアメリカのもの」論を展開しているという。つまり、日本その他の国は「ただ乗り」をしていて、カネを払えという主張らしい。

 日本ではトランプ候補の暴言ばかりが報道され、他の候補の主張を詳しく報道されることは無かった。しかしクルーズ候補も、一皮向けばトランプ氏の「日本は安保にタダ乗りして、儲けている」論と大差ないではないか。あきれていると、通商に詳しい人が僕に「中国だって日本に漢字の使用料を払え、と言ってくるのだからおなじようなものだよ」とささやいた。
 
<初出:2016.8>

ICOはネズミ講か?

 半島危機など政情不安定なので、円高に振れたり「金」が値上がりしたりしているが、仮想通貨BitCoinの値段も上がっているらしい。機関投資家などがポートフォリオの分散を進めているわけだが、仮想通貨もポートフォリオの一翼を堂々と担うようになったのかとある意味感動した。ところが、この傾向に待ったを掛ける事態が起きた。例によって、デジタルエコノミーの敵役中国政府である。

http://jp.techcrunch.com/2017/09/05/20170904chinas-central-bank-has-banned-icos/

 禁止されたのはBitCoinのような通貨そのものではなく、ICOInitial Coin Offering)という仮想通貨を発行する胴元のような組織や機能。もともと近代の通貨というのはその金属や紙片に価値があるわけではなく、誰かが「価値がある」と保証してくれるから価値を持っているわけだ。かつては「金」に換えることが出来る「兌換紙幣」が流通していた。1円札を持っていけば日本政府/日銀が保証して銀行等で「金」に換えてもらえる。それで流通/利用がすすんだわけだ。

 

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 日本が不換紙幣に移っても、しばらくは米国政府はドルを「金」に換える保証をしていた。それが、1971年当時のニクソン大統領が米国ドルの「金」への交換を一時停止すると発表、世界に金融混乱が起こった。いわゆる「ドル・ショック」である。それ以降、世界から兌換銀行券は消えている。それでも日本の1万円札は日銀が1万円の価値があると認めてくれているので、1万円として流通している。

 仮想通貨はというと、政府保証はついていない。胴元の発行事業者も無限責任を負うわけでもなく、その保証機能は限定的もしくは存在しない。あるコミュニティの中で、「NINJAさんは1億円もっていますよね」「そうですよね」「そうですよね」と皆が認めるから、僕が1億円を使えるわけだ。実際に1億円の札束・有価証券等がなくても、仮想通貨のクラウド上の帳簿に載っていればそれでいいのである。

 これまでにない枠組みなので、続々登場するICOは「玉石混交」、いかがわしいものも混じっているだろう。すでに米国証券取引委員会(SEC)もICOには注意するよう投資家に懸念を伝えている。ただ自由の国アメリカではとりえなかった全面禁止措置を打ち出すところが、中国ならでは。中国政府としては、通貨発行の権利は中央政府のみのものであり、それ以外の連中が通貨を発行するなどニセ札作りだし、その仕組みで資金集めをするなどは「ネズミ講」だというわけ。

 デジタル経済はあらゆるものの代替品を提供し、従来のものを破壊してきた。それはいよいよ通貨にまで及んできたわけで、それにドン=キホーテよろしく中国政府が立ち向かうという構図でしょうか?
 
<初出:2017.9>

使われない兵器

 PKOに「駆けつけ警護」任務などが付与されることになり、国会前で反対デモなどが起きている。メディアは「武器使用、新局面」と報じた。確かに、これまで自衛隊の兵器は人を相手に火をふいていない。駆けつけ警護は、事実上の救出作戦だから、対象者に脅威を与えている勢力を排除もしくは牽制しなくてはならない。当然、その勢力に向けて武器を使用することになる。

 
 ある政党は、「自衛隊が殺し、殺されるようになる。それでいいのか」と情緒的な主張を繰り返しているが、少し視点を変えて、兵器の立場で「武器使用」のことを考えてみたい。そもそもどのような道具も使われなければ意味がないし、使ってみなければ利点/欠点もわからない。

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 当時の新鋭74式戦車を、イスラエル軍の指揮官が「よくできたオモチャだ」と評した主旨は「戦車は砂漠で鍛えられる」ということ。ヒトラーが自信をもって東部戦線に投入した「エレファント」も「パンテル」も初期不良に悩まされ、最初は役にたたなかった。陸上自衛隊の小火器にも、実戦に使われていないものがある。
 
 M2重機関銃(12.7mm)やMINIMI分隊機関銃(5.56mm)は恐らく輸入品なので各国軍隊で使われているが、歩兵の標準装備89式小銃は日本オリジナル。武器輸出規制もあって、他国の軍隊でも装備しているところはない。
 
 兵器は、本来想定されるどのような環境でも使えないといけない。砂まみれ、泥まみれになってもジャムしづらいことが精密な命中精度より重視される。それが本当にわかるのは、実戦投入された場合に限られる。
 
 第二次「欧州」大戦に先立って、スペインで激しい内戦があった。最終的に右派フランコ軍が勝って、長く続くファシスト政権を樹立するのだが、その過程でソ連・ドイツ・イタリアらが続々武器を持ち込んだ。
 
 ソ連の「陸上戦艦」T-35が欠点を露呈したり、見るからに不細工なI-15、I-16戦闘機が意外に役立つことが分かったりしている。ドイツも、メッサーシュミットBf-109の初期型が参戦している。兵器がその真価を見せるには、(人類にとって不幸なことではあるが)舞台が必要なのだ。
 
<初出:2016.11>

ヒースロー空港のラウンジ

 2年ぶりのロンドン滞在は22時間足らず。まともな食事もしないで出国となった。イギリスにまともな食事など元々ないとのご意見もあるし、いやいや最近は美味しい店が増えたよという反論も聞いた。それを確かめることもないまま、帰りのフライトに乗る。

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 Terminal2でチェックイン後、案内されたのは「United Club」。2年前もここで搭乗までの時間を過ごした。明るく、広々としていて好感がもてる。中央の窓際にバーテンダー数名が常駐するカウンター・バーがある。お酒類はここで注文することになる。出国審査もないし、保安検査も空いていたので搭乗時間の2時間近く前にはラウンジに入ってしまった。本当に「入るは難く、出るは易い」国である。
 
 まだ登場ゲートは決まっていないと、ラウンジ内の掲示板に出ている。大体出発1時間前くらいに決まるようだ。さてイギリスのお味を試してみようと、軽食コーナーへ。サラダやハム、チーズは豊富だが、これはどこの空港でも同じようなもの。ホット・ミールのコーナーに行くと、まず春巻ややきそばなど中華系のものが並んでいる。さらに「Steamed Rice」とカレーソース。うーん、中国とインドか、確かにインターナショナルではあるが。

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 結局、ポテトサラダ、ベジタリアン仕様の春巻、やきそばをとり、次の皿でカレーライスを作った。以前ロンドン市内で現地事務所の人に連れて行ってもらったディナーはインドカレーの店だったことを思い出す。日本人の口に合う料理はそのくらいだ、と彼が言っていたよな。物価も高いし、個人でイギリスへ旅行に来るのはもう少し先になりそうです。
 
<初出:2018.1>