Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

全国総合開発計画(2)

公共事業費削減で、計画されていた高速道路網が完成していない、つながるべきところがつながっていないというところはいくつもある。昨年圏央道が開通して、横浜市つくば市が非常に期待をかけている会合に出席した。偶然だが、両市の個別の会に一日違いで参加したのだ。経済効果などを数値的に見せられて、なるほどとも思った。

 僕も道路を作ってはいけないといっているのではない。全総の主旨に従って孤立地域をなくそう、というのも理解できる。しかし地方のデータセンター立地でこんな話を聞いたことがある。データセンターを郊外の山間地(例えば頂上)に作るという。地価が安いからという理由だけではない。山頂に作れば、そこまでの道路等は整備しなくてはならない。インフラ整備に公共事業費が使える、という次第。

 そういえば、広島空港ってどうしてあんなに遠いのだろう。ある人が某有力政治家の地盤が、市街地から空港の途中にあるということを教えてくれた。なるほど、我田印道というわけね。こういうのに、納税者は怒るべきだろう。

 さて、第二回の会合。僕は「全総時代とは日本の経済環境が異なるので、均衡ある発展も少し意味がちがうのではないか」と切り出した。インターネット・エコノミーの世界では勝者は世界でひとつになると思っていた方がいい。同じ土俵でGoogleAmazonに勝てる企業は居ないし、それが出てきたらGoogleAmazonはその土俵からは撤退することになる。

 幸いインターネット・エコノミーは非常に大きな市場だし、水平分業が進んでいて新しいアイデアをうまく実践させられればスタートアップ企業でも世界のチャンピオンになれることがある。やはり何かで一番になる必要があるし、そういう企業だけが生き残れる。同じ考え方を地域経営でも採れないか、というのが僕のぶつけた議論である。
 

    f:id:nicky-akira:20190413161328j:plain

 均衡ある発展ということで、日本の各地域が同じような産業誘致・観光開発・農林水産政策をとっていたら、世界一の企業に席巻されてしまうだけではないか。現に地方の温泉宿が倒産したところを「大江戸温泉」という企業が買い取っている。酒屋がセブン/イレブンに転業するというのは、昔から起きていることだ。

 だから均衡ある国土の発展ではなく、世界一を目指した地域の振興が必要で、各地が特徴を生かしていけば結果として多くの地域が相応の発展を遂げるだろうということだ。平均化するのではなく、オンリーワン戦略を地域が自ら考えることとし、我々はそれを支援するべきだと訴えた。

<続く>