Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

全国総合開発計画(3/終)

僕の「地域オンリーワン戦略」に対しては、予想通り反論が相次いだ。この会合の目的を、公共事業費(特に道路予算)をどうやって財務省と渡り合って増やすかに置いていたメンバーも多かったのだろう。いわく、

・地域にそんなこと(オンリーワン戦略)を考える余裕はない。
  特に人材不足、カネ不足だ。
・地域が世界と渡り合うなど不可能だ。国が(邪悪なインター
  ネット・エコノミーから)彼らを守るべきだ。
・成功する地域は少なく、他は立ち枯れてしまう。自由競争の
  悪い面ばかりが見られるだろう。

 もちろん、結論が簡単に出るような話ではない。議論は安部政権が「地方創生」を掲げてからも続き、時折意見を戦わせる場が巡ってくる。よく諸外国(先進国)と比較しての道路整備不足を説明した資料を見かける。それは事実だろうと思う。地震や台風など自然災害の多い日本では、道路の強度を強くしなくてはならない。距離あたりの整備費用は大きくなるだろう。

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 しかし、日本は世界でも有数のインターネット・インフラの整備国である。一番重要なデータへのアクセス機会は、ほとんど全ての人や企業に十分に与えられている。インターネットの向こう側には、拡大し続けている市場がある。多くの人が(特に若い人が)新しくネットユーザーになっている。いまの時点では、少子高齢化とも無縁な世界だ。

 グローバリゼーションは止まらない。自らが「世界市場」でどういう価値を持っているか、持ちうるかを全ての人・企業・地域・国は知らなくてはならない。できるなら価値を向上させるために何をしたらいいか、考え続けるべきである。それらのために必要な情報の多くは、インターネットが与えてくれる。
 
<初出:2016.8>