Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

マイルドになるソジュ

 最初にソウルに行ったのは、20年以上前。目的はひとつだけで、当時所属していた事業部門で韓国の企業と特許のライセンス関係でもめた件で担当の部長に(用心棒として)同行した時である。本社の海外部門の人と空港(仁川だった)で落合い、市庁舎に近いロッテホテルに泊まった。

 
 相手の会社は江南区にあり、半日かけて交渉したが解決の糸口は見いだせなかった。その時に食べたのが、最初の韓国で食べる韓国料理。それなりに緊張していたせいか、何を食べて飲んだか記憶していない。次のソウル訪問は10数年前、内閣官房経団連電子政府調査の一員として政府の情報安全部や、江南区電子政府推進部門、個人認証機関、システムベンダーなどを訪問した。
 
 日本政府・業界団体の公式ミッションなので、大使館の人がいろいろ面倒をみてくれた。そこで、食事をしながらいろいろな現地の風習を聞くことも出来た。普通にレストランで出されるお酒は「ソジュ」であるという。日本では「ジンロ」の名前が知られているが、韓国焼酎である。その他、マッコリとか百歳酒などがあるが、ビールの後ソジュにする人が多いという。

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 その時驚いたのが25度前後の透明なソジュは、食中酒であるのにストレートで飲むという。日本の焼酎も25度くらいがポピュラーだが、普通は水かお湯で割る。ストレートで飲んでみたが、きつすぎるという気はしない。アブラでギトギトの焼き肉料理などは、強めのアルコールで洗い流すような感覚なので合うようにも思う。(もちろん、医学的には考え物、食道がんの原因かも)
 
 その後プライベートでソウルを訪れるようになると、スーパーやコンビニでお酒を買うようになった。スーパーの安売りコーナーに行けば、300ml入りのソジュが1本1,000W(当時のレートで約90円)で買える。これは驚きの価格である。
 
 朝、街に出ていくと、ガード下などでソジュを呑んでいるヤカラがいる。少し落ちぶれた感じの爺さんが多い。グラスの脇にあるのは、白い粉と赤い粉。前者は塩、後者は唐辛子のようだ。ソジュが安いゆえの光景だが、これでは健康寿命が延びるはずがない。
 
 韓国政府は、数年前からソジュの規制に乗り出したようだ。手段はアルコール度数の低減。22度以下にした後、さらに度数を下げようとしているらしい。
 
 今回の出張では、スーパーマーケットに足を延ばすことはできなかったが、コンビニなら街角のどこにでもある。ホテルの側の「GS25」でお酒コーナーをチェックした。寝酒として買ってきたのは「大丈夫」というラベルの21度375mlのソジュで、2,500Wなり。その他、グレープフルーツや青ぶどうの絵を描いた、13度375mlで2,000Wのもの。恐らく果汁割りなのだろう。
 
 コンビニで買ったせいか多少値上がりしているようにも思うが、それでも安い。え?「大丈夫」だったかって?まあ普通の味でしたよ。
 
<初出:2017.5>