Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

インフラ更新の難しさ

 当家のインターネットインフラは、NTTのフレッツ光プレミアムである。それが来年1月末をもってサービス終了、フレッツ光ネクストへの切り替えをしてくださいという通知が来た。NTTのコールセンターは親切で、当家の無線LANの状況まで聞いて更新の仕方を示してくれた。装置の取替えを含む工事担当も派遣してくれるという。


 ひとつだけ条件がついたのが、プロバイダのYahoo-BBへの連絡。更新工事の前にプロバイダ側の設定を確認して置いてくださいとのことだった。NTT同様気楽にコールセンターに掛けたところ、これが問題。延々たらいまわしにされ「ただいま、つながりにくくなっております」の一点張り。

 
 結局電話はつながらず、工事の日が来てしまった。どういう工事をするのか、装置をどういう風に入れ替えるのかの説明はそれなりに理解できた。問題はプロバイダへの確認。工事の人もコールセンターに掛けてくれたのだが、これも全くつながらず結局工事は延期にせざるを得なかった。

 フレッツ光ネクストがどうすごいのか、は全くわからない。僕としては今までどおりのことができればそれで十分なのに迷惑な話だ・・・と思いながら、急にインフラ提供側の立場に思い至り、これが更新のむずかしさだなと再認識した。

 通信の物理レイヤーもさることながら、PCやモバイル機器のオペレーティング・システム(OS)というのも、立派なインフラである。代表的なOSであるWindowsを提供しているマイクロソフト社はインフラ・サプライヤーにふさわしい企業であると思っている。付き合いは30年にもなるだろう。当初は(こちらも若気の至りで)野心ギラギラのケダモノ外資と思っていたのだが、徐々に風格が出てきた。一般に米国発のIT企業は欧州で評判が悪いが、マイクロソフトは摩擦も少なくなり現地に受け入れられている。

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 そのマイクロソフトが「最後のWindows」と銘打って2年間にリリースしたのが「Windows10」。それまでのWindowsとは見た目こそ似せたものの、全く違う構造になっていると聞いた。僕は無償アップグレード期間に、多少の不安を持ってであるが、アップグレードした。少し感覚が違っていていくらか途惑ったが、今は慣れてしまった。今回、Windowsがどのくらいアップグレードされたかというレポートが出ていて、少々驚いた。まだ5割近くのユーザがWindows7を使っていて、Windows10は28%未満という結果。3年前にサポートは終わったXPユーザもまだ6%もいる。これじゃWannaCryにやられるのも無理はないということだろう。

http://gigazine.net/news/20170904-windows-10-share/

 推移のグラフを見ると、Windows10が徐々に伸びているがこれはWindows7以外のリプレースである。Windows7は微減かほぼ横ばいの利用率を保っている。これはマス・ユーザの企業が切り替えをしていないせいもあろうが、全てのユーザの切り替えに対する不安感があるからだろう。なれたもの、特に毎日使うようなものは、変化されると生活のリズムが狂ってしまう。一方でこの手のインフラの進歩は早く、インフラ・デザイナーにはますます負荷がかかることになる。そうはいっても撤退なんかしないですよね、マイクロソフトさん。
 
<初出:2017.9>