久しぶりに名古屋に出かけて、少し時間があったので駅前地下街を歩いてみた。位置関係からいうと八重洲地下街に相当するのが「ユニモール」。そこで見つけたのが「コメダ珈琲店」。最近北海道にも上陸して、国内に展開を続けていると聞いた。愛知県は、旧国名でいうと三河の国と尾張の国の2つから成る。三河のお国柄は、徳川家康を盛り立てたことで知られる「質実剛健」の三河武士に代表される。一方尾張のお国柄は、豊臣秀吉の派手好み、徳川宗春の華美奨励など人生を謳歌する傾向にある。
その尾張の国で栄えたのが、喫茶店の「モーニングセット」。コーヒーを頼んだだけなのに、トースト・タマゴ・サラダはもとより茶碗むしまで付いてくることがあった。これは人口に比して喫茶店の数が多く、過当競争だったせいもあるだろう。商売人である尾張の民は、商売の打ち合わせ(と称した団らんも含む)のために、喫茶店をよく利用していたのだろう。
今全国展開を図っているコメダ珈琲店のメニューを見ると、モーニングにはトーストとタマゴなどがついているだけ。まあ、これが常識でしょう。それでも、アニバーサリーメニューか何か特別な日だけモーニングに茶碗むしつけたら、お客さんはびっくりするだろうね。
<初出:2016.8>