夏の函館と言えば、何はさておきイカ、スルメイカが大量に水揚げされてくるはずだ。透き通ったイカの丼が、売り物のひとつである。函館駅前の朝市には、イカの釣り堀まである。朝市ちゃんというキャラが、観光客を出迎えイカの売り場にいざなう。
その影響を受けて、有名な駅弁「森のいかめし」が20%もの値上げだという。(煮てしまったので)小さなイカ2杯にご飯を詰めたものが、780円。ワンコインではまるきり手が届かなくなった。学生の頃、国鉄(当時)を2万キロ乗り潰すといった友人に感化されて、いろいろな旅をした。良く食べたのが駅弁。北陸のカニとか、広島のアナゴとか、美味しかったし、当時は500円もあれば十分食べられた。
残念ながら沖縄(ここ当時鉄道ナシ)と北海道には手が届かず、有名な函館本線森駅の「森のいかめし」(阿部商店製)は後年デパート地下の駅弁大会か何かで初めて買ったような気がする。学生時代の記憶では、300円くらい。一番安いクラスの駅弁だった。
それが今では、1,000円に届こうかというお値段。比較してはなんだが、駅弁に飽きると駅前食堂で「カツ丼」など食べていた。高いなとは思っていたが500~600円くらい。それが今でも「かつや」「松乃屋」ではワンコインで食べられるのに、いかめしは2.5倍に値上がりしたわけだ。
写真は某居酒屋での「イカの丸焼き」、大きさが違うし、これで500円くらい。駅弁は、売れ残ったものは捨てる(再利用しない)きまりだというし、需要の予測も難しい。そうは言っても、最大の販路は今や鉄道駅ではないはずだ。また豊漁になったら値下げしてくれるのでしょうか?今のお値段では、僕には手が出ませんね。
<初出:2017.8>