Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

ボタニック・ガーデン

 シンガポールの繁華街で各国の大使館も多くあるオーチャードロードをもう少し奥まで行くと、東京ドーム11.5個分という広さを持つ「ボタニック・ガーデン」に着く。地下鉄では、新しく開通したダウンタウン線とサークル線の乗り換え駅がボタニック・ガーデンの北端に直結している。
 
 ガーデン内部はゆるやかな起伏があって、森林はそれほど深くない。南の方は開けた丘陵地帯だ。日差しは強いがそこここに日陰があって、ゆっくり散歩できるのがいい。天気予報は「雷」で遠くに雷鳴も聞こえるが、黒雲が迫ってくることはなく、スコールにも遭わなかった。(スマホの天気予報アプリは、いつ見ても「雷」になっている)

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 池の中に浮かぶステージもあって、ステージを囲むように芝生の斜面が整備されている。座席こそないが、立派な野外コンサートホールだ。池には、ハスの花も咲いている。ここで行きたかったのは「ナショナル・オーキッド・ガーデン」。さまざまな蘭の生態展示をしている、回遊式の庭園である。蘭というのは非常に手のかかる植物だと言われていたが、右の画像など見てみると生命力の強さを感じる。
 
 もともとヤドリ木的性質も持っているらしく、何かに縛り付けておくとそこで成長するようだ。ガーデン(というよりシンガポール全体)の高温多湿な環境では、土に植えておく必要はない。ガイドブックによると、ここにある蘭の種類は、原種が700種、交配種は2,100種以上。世界の展示場でも類を見ない、合計6万株が展示されている。
 
 小さな温室(冷室?)もあって、山岳地帯の植物が展示されている。以前紹介した「クラウド・フォレスト」のマイクロ版のような施設だ。また、エアー・プラントのコーナーもあった。根っこも何もなく、空中に放り出しておけば成長するという「最強の植物」である。

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 昨年台北の花市でエアープラントの売り場を見たし、自宅にも小さなのがひとつある。最近は100円ショップでも売っているが、ここのものはケタ外れに大きい。蘭も含めて、高温多湿の環境が「鉢植え」という概念を越えた植物をはぐくんでいることがよく分かった。
 
<初出:2016.9>