シンガポール・マリーナ地区の呼び物のひとつが、世界一の高さを誇る温室(冷室?)である「クラウド・フォレスト」。高さ35mの人工の滝がそびえたっている。万年夏、最高気温32度くらいの外界から、このドームに入るとその冷気にほっとする。
そして目の前には、この滝。まず、それに度肝を抜かれる。外壁には蘭やその他の植物が貼り付けられていて、元気よく咲いている。以前沖縄の「ビオスの丘」という観光地を訪れたが、蘭が他の木に括り付けられたり、根を少量の水苔にくるみそれをカマボコ板で挟んだ状態で育っているのを見た。
要するに、なんにでもいいからくくりつけておき、湿気さえあれば育つらしい。ここではコンクリート製の骨格に適当な凹凸を付け、ワイヤで止めるなどして固定しているようだ。
ひとわたり天然木を活かした彫刻や、色とりどりの花を見ながら人工滝の反対側まで回ると、エレベータがあった。これで6階まで登る。そこには、小さなプールがあり水が流れ出している。これが滝の源流らしい。クラウド(雲)の演出のために、噴霧器から霧が噴出している。
高さ35mの「山頂」から下界を見下ろすと、さきほど入ってきた扉が見える。そこから見上げてびっくりしている人たちは、10分あまり前の自分たちの姿だ。珍しい蘭の花も、いっぱい咲いている。
<続く>