コンドミニアム型のホテルに滞在して、土地の物を自分で調理してたべるという旅行を10年近く続けてきた。家内の努力に頼りっきりであるが、こういうものが欲しいと言われるとなんとか探すのは僕の仕事である。そんなものの一つが「バスマティ・ライス」。長粒種のお米で、炊き込みご飯のナシビリヤーニの原料になる高級米という。コンドミニアムでは、炊飯器を貸してくれるところもあり、ご飯をたくことができる。
長粒種のお米は、タイ米とか外米と呼ばれ戦中世代の僕の両親などはヘイトしている。戦後の何もないころ、緊急輸入されたものを食べたが美味しくなかったという印象が残っているからだ。25年ほど前日本で天候不順から米不足になり、長粒種が輸入されたことがあった。当時の僕は一人暮らしで、結構自炊もしていたから面白がって買ってみたこともある。
普通に炊いて食べようとすると、パサパサして美味しくない（というか食感が違う）。しかし、ピラフ様に調理すると特に違和感は無かった。しばらく前から、旅行先のスーパーで家内が「バスマティ・ライス」を探し始めた。それを見つけたのが去年、シンガポールでのこと。早速炊飯器で炊いてくれて、カレーライスにして食べた。香りが高く、独特の食感で、とても美味しかった。
今回、エアカナダでのトロントからの帰路、機上でディナーのメニューを選んでいてメインにチキン＋バスマティ・ライスとあるのを見つけた。会合のディナーは牛が多かったし、ここはこれにしようと注文してみた。で、エビやホタテの前菜に続いて出てきたのがこれ。要するにチキンカレーで、パンがついているのがご愛敬、なかなか滋味深い味で、大変美味しかったです。
＜初出：2017.9＞
